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「ねえ、今週末忙しい？」
とある金曜日。会社の上司に声をかけられました。
「え、あ、明日ですよね、明日かあー、すいません、ちょっと用事が…」
僕はそれ以上突っ込まれないように、慌ててその場を去りました。
だって。
だって。
だって明日は合成の日♪
僕はカメラ片手に早起きをしたのです。
さて、先日の実験に不満があった僕は、今度は一日を費やしてもっと徹底的に調査を続けました。
合成できそうな空を選んで合成しただけじゃつまらない。
朝から数時間おきに写真を撮ってくらべる。
しかし、住宅地で空を見上げて写真をパチパチ撮ってるといろんなことが考えられます。
◆想定シーンその１
隣人さんと出くわす
隣人「おはようございます〜」
僕「あ、お、おはようございます！」（慌ててカメラを隠す）
隣人「いい天気ですねー」（立ち尽くしている僕をじろじろ見つめる）
僕「そ、そうですねー。では・・・」（背中に視線を感じながら歩き去る）
※さっさと歩き去れるように、自転車で行動すべきだな。
◆想定シーンその２
ガキに捕まる
くそガキＡ「あのおっちゃん、なんか人の家の屋根ばっか写真撮ってるー」
くそガキＢ「ほんとだぁー。怪しい−」
くそガキＡ「おかあさん呼んでこよーよ」
くそガキＢ「俺、ここで見張っとく」
背中にガキどもの視線を感じながら、チャリでつい〜と逃げる。
※一ケ所に長時間留まるのは危険だな。
◆想定シーンその３
警官に捕まる
もっと他にすべきことがあるだろ！と突っ込みたくなる警官「ちょっと君、何をしてるの？」
極めて善良な市民の僕「いえ、その、まあ、何でもないです」
もっと他にすべきことがあるだろ！と突っ込みたくなる警官「こんなところで何の写真撮ってるの！」
極めて善良な市民の僕「いや、その、空の、屋根とか」
もっと他にすべきことがあるだろ！と突っ込みたくなる警官「なんで？」
極めて善良な市民の僕「・・・・」
※夕方のうちから自転車のライトつけておこう。
いやー、世間は危険がいっぱいです。
僕は、災害対策も万全にして、家を出かけました。
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09：00
気持ちのよい朝です。
北の空。
これは問題なく合成いけるでしょう。
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きれいなもんですね。
でも、電線はやはり、消えてしまうみたいです。
太陽が背になるように写すのがコツですね。
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これは同時刻の北東の空です。
まだ朝早いので影の部分も多いです。
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問題ないですね。
ただ、景色が少し影になってるので、合成する素材は明るいものが合います。
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これは東の空。
高架橋の側面が少し青っぽいのが気になります。
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やはり、側面の青い部分が少し透けてます。
これも、背景は明るいものの方がいいですね。
11：00
朝早起きだったので、一旦家に戻って少し寝てしまいました。
１時間おきに撮ろうと思ってたのに、早速ダメ。
さっきより、全体が明るくなってます。
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問題ありません。
ただ、背景に明るい素材を持ってくると、全体的に暗く見えますね。
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ちょっとカメラを右にずらすと太陽！ってくらいの方向です。
うまくいくかなー。
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意外や意外。
きちんといけます。
思い込みはいけません。
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どんどん日がのぼっていきます。
僕はお昼くらいが一番合成しやすいんじゃないかとにらんでます。
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いいですねー。
自然な仕上がりです。
この町を手に入れたような気分になってきました。
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南の空。
これは完璧でしょう。
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うん。問題無し。
100点です。
13：00
さあ、お昼を過ぎました。
なんで12：00がないのかって？？
飯を食ってました。
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細い電線はこの際忘れましょう。
完璧です。
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さくさくいきましょう♪
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町がミニチュアに見えます。
怪獣映画にも挑戦してみようかな。
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側面の青さの不安は続いてますね。
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あーあ、側面が抜けちゃいました。
合成には、同じ時間でもオッケイな方向とそうでない方向がありますね。
15：00
そろそろ景色の色が変わり始めました。
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あれ、むしろ合成しやすくなっちゃった！
空は青く、景色は夕日いろ。
新発見。
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これも景色の色が変わってきてます。
空の色も、心無しかダイダイ色に・・・
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空の色の不安もどこ吹く風。
まだまだいけそうです。
そう。僕の旅もまだまだ続くのです。
同じ場所をぐるぐるまわってるのもつまらないので、チャリで少し遠出をしてみることにしました。
（つづく）
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