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役者は心のビタミンになる仕事。 いつもそのスタンスは変えない ■ |
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初対面にもかかわらず、穏やかな雰囲気で場をなごませて下さった毛利玄さん。インタビューは驚くほどズムーズに進み、毛利玄さんは時折笑顔を交えながら、意志的な表情で現在の心境を語ってくれました。 copyright(C)boopin 2003 ―まず、カルフとお出会いを教えて下さい。 カルフとの出会いはね、あのー…カルフができる前からオリさん(渡川監督)と知り合いだったの。 一番最初のきっかけはオリさんと一緒に芝居をやったのね。それが一番最初の出会い。で、毎日のように顔を合わせて、楽しい日々を過ごしてっていう。 ―その頃は舞台をやってらしたんですか? いや、その時は舞台だったんだけど、オリさんも映像作りたいって言ってたし、僕も映像の勉強をした俳優志望だったんで。 ―やっぱりフィルムとか、そっちの方が? そう、フィルム。やっぱりフィルムの方が僕としてはドキドキするんですよ(笑)。 で、オリさんが映画作りたいっていう話があって。で、だったらきちんと作ろうよっていう話をして。その頃カルフができたっていう感じですね。 ―その当時、まだ22歳だった若い監督の作品に出ようと思ったきっかけは? オリさんがあんまり生意気だったんで(笑)ちょっと潰しとこうかなっていうのが正直なところね。あまりの生意気さに引き込まれた(笑)彼の頭の中はどうなってるんだ!?っていうね。人にへつらったり年上だからどうこうっていうのもないし。 だから純粋に映画のことだけ考えて付き合えるしケンカもできるからね。それが逆に気持ちいいよね。 ―カルフの作品としては今回で何本目になりますか? 何だかんだで毎年出てますね。もう…5本目かな。 ―メジャーのお仕事もたくさんされている毛利さんですが、自主制作映画にも出演される理由は? そうですね、自分のトレーニングにもなるし、いろんな人にも見てもらえる。そんなこともあって半分は自分のために、あとの半分は周りの人のためにっていう感じですね。 あとは純粋に映画やりたいっていうのがあって。いい作品であれば喜んで出させてもらいますよ。 ―前回(ドリーム・ウォーズ・ドリーム)は熱意に燃える武士の役でしたが、今回の役についてはどう思われます? あのね、今回の役どころって正直に言うと、僕の実際に近いところがあるんですよ。僕自身役者やってますけどいろんな葛藤もあるしね。例えば、昼間っから街をプラプラ歩いてると、周りの人は「この人何やってるんだろう?」って思うわけですよ。毎日毎日やってると「あの人どうやって生活してるんだろう?」って思われるわけですよ。 僕自身以前はサラリーマンやってたし、結構やり手だったしね。そのギャップも大きいしね。そういう意味では精神的に近いものがあるんで、すごくやりやすいんじゃないかな。でも唯一違うところがあるとすれば、彼は本当に気が弱いじゃないですか。 でも僕は…っていうかこの世界にいる人って役者に限らず気が強い。気が強くなきゃやってけない商売だし。そこを自分なりに気の弱い人をイメージしてやってこうと思ってます。でも僕的には今回(山崎を演じることを)とても楽しみにしています。 ―途中から変わっていく山崎の見せ所みたなものはありますか? もちろん全部カッコよく撮って欲しいですよ。 他にも俳優さん出てますけど、その中の誰よりもカッコ良く撮って欲しい(笑)あと、お願いをすれば、最初はできるだけカッコ悪く撮ってもらって、後の方はできるだけカッコ良く撮ってもらいたい。 それで、みんながどこかでストレス抱えて生活してる時に「人間てこんなにカッコ悪いんだ。でも何かのきっかけでこんなにカッコ良くなれるんだ」っていう、何かのきっかけでみんな何か変われる、変えられるんだってことを思ってもらえれば嬉しいですね。そんな風に、見てくれてる人の心に何かが残ったら、もうそれで嬉しいです。 ―見て下さる方に一言って質問を用意していたんですが、先に言われちゃいましたね(笑) あ、そうなの?ごめんごめん。あのね、僕を指導してくれた先生っていうのが、役者とはどういうものかっていうのをいつも口癖にしててね。アメリカンメソッドだったんだけど。演技を上手にするとかカッコつけるとかそういうんじゃなくて「一番大事なことはお客さんに見てもらって喜んでもらうってことだ」っていつも言ってて。 悩んでる人がいたら何か心のビタミンっていうか、見てもらうことによって元気になってもらう仕事だよって何度も言われたんですよね。それは芝居をするってことと同じくらい僕の心の中に入っているから、だからかも知れないですね。 ―これから実際の撮影に入りますが、夏場の現場、がんばって下さい。 はい。こちらこそよろしくお願いします。 (2003.06.27・新宿の某ライブカフェにて/取材:水無月朋子) 毛利 玄 (もうり げん) 1962年1月5日生まれ。東京都出身 「突入せよ!浅間山荘事件」「金融腐蝕列島呪縛」等の映画をはじめ、舞台・CMなどにも数多く出演。その活動拠点は日本国内に留まらず、近年、米国の新鋭監督作品への出演も果たす。現在米国インディペンデントムービー「Lady−Xエピソード1」がインターネットウェブシアター(http://www.dadyxfilms.com)にて上映中。 また2003年6月にカンヌ国際映画祭にて上映された三池崇史監督作品「極道恐怖大劇場 牛頭(ゴズ)」にも哀川翔の舎弟役として出演中。 |
映画工房カルフのように
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