ホームカルフの最新作役者紹介 『森永』役

基本的に映画好き。
デビルマンは究極の人間ドラマですよ


中舘 基樹なかだて もとき

今回が自主製作映画初出演という中館基樹さん。見上げてしまうような長身と、その端正な面差しからは想像もできないようなバイタリティにあふれた楽しいお話を聞かせてくれました。





―まず、今までの経歴を教えてもらえますか?
高校出てから大阪の劇団に入って2年くらいずっと舞台やってて。…で、東京に出てきて青年座の研究所に入ってね。その後いくつか劇団を渡り歩いたんですけど、ミスタースリムカンパニーってとこに割と長くいたかな。うん、その頃はずっと舞台中心にやってて。そこを辞めてから映像の仕事もしましたけど、どっちかっていうとまだ舞台のほうがしっくり来ますね。映像って役柄が決まってるじゃないですか、自由にできないっていうか。舞台の方が役者的には何でもできるっていうかね。いろんな役をやりましたけど、ヒール系が多いですかね、悪役系(笑)


―初めて自主製作の映画に参加されることについて抵抗はなかったですか?
俺は前からやりたいって言ってたの。健朗(プロデューサー役の魁健朗氏)がやってたの知ってたから、出してくれ出してくれ、呼んでくれ呼んでくれって。俺はぜひやりたいからって。今までやったことなかったし、商業映画だったりすると好きなことできないじゃないですか。当然制約されてくるし。その点自主製作だったらある程度自分の意見も言えるじゃないですか。極端な話、製作にも関わっていけるし、そういうのが楽しいかなって。基本的に映画好きなんで。


―私生活でも映画はけっこう観たりします?
最近あんまり観てないんですけど、面白そうだなって思えば何でも観ますね。予告を見ておもしろそうだなって思えば、イラン映画だろうがフランス映画だろうがどこの映画だろうが何でも観る。筋金入りの映画ファンなんで、基本的に。


―印象に残ってる映画などはありますか?
一番最初に洋画は多分、小学生の時に親に連れられて観に行った「キング・コング」だと思うんですよ。ジェシカ・ラング版のやつ。あと衝撃を受けたのは「スターウォーズ」ね。親父と一緒に大阪OS劇場で、8月に観に行って、まずあのオープニングにやられた。すげえ!おもしれえ〜!!って。親父が映画好きだったんで、いつも一緒に観てて。最初に映画っていう映画を観たのは「マジンガーZ対デビルマン」だったかな。東映マンガ祭り。あ、めちゃめちゃアニメ詳しいですよ(笑) もうね、俺の世代のヒーロー物はものすごく詳しい(笑)今度カラオケ連れてってヒーローもん聞かせますよ? ガッチャマンあたりから延々と(笑)


―いや、アニメじゃなくて(笑)。役者になろうと思ったきっかけになった作品なんかはありますか?
それはもう萬屋錦之介先生です。TVで観た「子連れ狼」とかね。それを小学校高学年の頃に観て、役者ってかっこいいな、面白そうだなって。その後はやっぱり松田優作ですね。うーん…影響を受けた人って言ったら萬屋錦之介先生とジャイアント馬場さん。松田優作ももちろん大好きだけど、彼は呼び捨てでいい(笑) こーんな天と地の差はあるけど、同じテリトリーの人で、同じ時期に役者やってた人だから(笑) でも赤の他人が死んで泣いたのは馬場さんと松田優作だけですね、うん。萬屋錦之介先生と唯一接点があったのは、大阪で忠臣蔵の舞台をやるってことになって、萬屋先生が大石内蔵助役で。…で、息子の大石主税(ちから)の役を募集しててね。「おぉ〜!!」って思って応募して、オーディション行ったんですけど「身長がデカ過ぎる」って。じゃあ呼ぶなよって。最初から言えよっていう(笑)


―今回、あからさまな悪役をやることについてはどう思いますか?
…え?どうしよう、俺、人がいいから(笑) 芝居してても目に人の良さがでちゃうからなぁ…(笑) なんて、素直な感想は楽しそう。で、おいしい(笑) お客さんにこいつ殺しちゃえよってくらいに思われる、ウェットな部分の出る役だから芝居的にもちょっとオーバーめにした方がいいのかなとも思うし。ポイント考えてやらないとね。ずっと同じ感じだとおもしろくないから。苛め方はいろいろ考えてますよ(笑) いろいろギャップとか考えてね。最初は普通に登場するかもしれないけど、すごいイヤな奴になろうかなって思ってます(笑)


―今回、標準語と関西弁を使い分けることになりますが、元々は関西弁なんですよね?
そう。だからここ1週間くらい、標準語しゃべっとかないと喋れねぇなぁって思って。昔青年座にいた頃ってずっと標準語だったんですよ。その後に入った劇団も標準語でやってたんですけど、そうすると大阪行っても忘れるんですよ(笑)…で、いざ大阪弁の芝居をしようと思った時に喋れなかったんで「もったいない、もったいない」って思って(笑) それからは普段も大阪弁で喋るようにしてたんで、標準語がまだ馴染んでない。だからしばらくは標準語でいっとこう、と。でもこれでずっと標準語喋ってると今度は大阪弁がおかしくなりますからね。バランスが難しい(笑)


―いよいよ現場が始まるわけですが、現在の心境はいかがですか?
撮影自体はものすごく楽しみです。不安って言ったら自分の芝居だけですね、うまくできるかなっていう(笑) だから撮影は楽しみ。自分が演じる役についても面白いなって思うんで。


―夏の現場で大変だと思いますが、これからがんばって下さい。
よろしくお願いします。

 (2003.07.13・東武練馬某カフェにて/取材:水無月朋子)


中舘 基樹 (なかだて もとき)1967年12月20日生まれ。大阪府出身
大阪を拠点とする「劇団マッドエンジェルス」、「青年座研究所」、「劇団ミスタースリムカンパニー」を経て現在に至る。『ファンキーモンキーティーチャー2』『GONIN2』『修羅が行く8』『狭道1・2』『恋極道』『極道懺悔録』等の映画作品や、『ROSE・殺戮の女豹』『ぶった斬れ』『TAXI DRIVERのように』『強奸監禁団地・銀行』等のVシネマ、数々の舞台を中心に活動。自主制作映画への出演は今回が初めてとなる。



映画工房カルフのように 【http://www.karufu.org/】
All rights reserved ©2001.5.5 Shuichi Orikawa
as_karufu@hotmail.com
ホームカルフの最新作役者紹介 『森永』役