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この仕事はやりたいからやってる。 損得じゃないよ ■ |
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その端正な顔立ちと役柄のイメージから、コワモテでクールな方をイメージしていましたが、実際にお会いした魁さんはとても気さくでコケティッシュな方でした。本音とも冗談ともつかない語り口でその場を煙に巻きながら、けれどさりげない気遣いが感じられる魁さんに現在の心境を伺いました。 copyright(C)boopin 2003 ―多方面で活躍されている魁さんですが、自主制作に興味を持たれた理由は? 青年座に入ったのが22くらいの時だったんですよ。で、NHKの大河に出たりとか、Vシネマ系だったりとかちょこちょこそういう仕事をしてたんですけど、その後2年くらい休業してた時期があって。 そのブランクの後に、映画とか演劇とか「役者」っていう方向性は判ってたんだけど、何をしていいか判らなくなった時があって。…で、とりあえずは自分が主催して映画団体みたいのを作ろうと思ったんだけど、ノウハウとか盗みに行こうと思ってそういう団体にアクセスしたのがきっかけで。 そういう意味では、自主制作っていうのが再出発のきっかけでしたね。うん、それが5年前くらいだったかな。その後自主制作で2年くらいやって。その後に韓国の舞台の話があって、Vシネマが決まってっていう感じで。 ―そういった意味では制作媒体に特に区別はしてないと? そう。その頃面白いと思ったら出るって言うのがスタンスだから。もちろん今度雀奴(ジャンヌ)のプロデューサーがプロデュースして新作を作るんだけど、その映画が夏にブッキングする可能性もあるんだけど、そのへんは早めにスケジューリングしてって思って。 去年の作品(注:カルフ作品『上向キッ!』)にも声かけててもらったのに、韓国の舞台でダメになっちゃったから今回はぜひ出たいなっていうのもあってね。うん、やりたいからやってる。もちろんお金になるのに越したことはないけど、いい作品には自主制作云々っていう隔てなくやって行きたいって思ってるし。 まぁこれからも大河とかもチャンスさえあれば、事務所の方を通じて出られる可能性もあるしね。まぁそっちの現場が重なっちゃったらごめんねっていうことにもなっちゃうかも知れないけど(笑) ―オリカワ監督と知り合った元々のきかっけは何なんだったんですか? 休業直後のブランクの時期に、自分のHPに「映画やりたい」みたいなことを書いてた時があって、その時に「プロデューサーを紹介します」みたいなことを書いてきた人がいて。何かの機会でその人に会ったらそこにオリカワくんも来てて。 その時は名刺を交換しただけだったんだけど、その夜にオリカワくんから連絡が来て。…で、自分も映画やりたいと思ってるんで、よかったら脚本読んでみてもらえませんかっていう。 いや、その間に入った人って言うのは実はネットワークビジネスやってるみたいな人で、映画をネタにしてその仲間の勧誘をしてた(笑)。俺も彼もその時、あやしいと思って逃げて来たんだよね。まぁお互いに妙なやつに引っかかったっていう、偶然の出会いですね(笑) ―今回の役は寡黙でありながら存在感があるっていう微妙な役ですが、その辺を演じるに当たってはどうですか? それは他の人との絡みもあるから…けっこう受けの芝居なんでね。相手の出方によって演じ方も変わると思うし、自分で作り上げられる範囲がけっこうあるっていう意味では、いくらでも魅力的に演じられると思うのね。 ―そのへんを楽しみにしてらっしゃる? うーんと…楽しみにしてるのはー…愛人役の女の子との絡みかな?(笑)え?だめなの?それアリって聞いたから引き受けたんだけど…。え?それナシなの?じゃあ降ろさせていただきます(笑)。 いやいや、今まで個性的な役が多かったから、あんまりぱぁっと(役のキャラを)出せないっていう、物静かな役って自分でも好きだからね。見た目の感じとしては合うと思うんだけど、本来の自分とのギャップがある役だから、自分的に愉快なところが出せない、ギャグっぽくできないっていう中で、真面目にやってるのが逆に面白いっていうのもあるから、そこがしっかり出せれば面白くできるんじゃないかなって思うのね。演じてて俺が面白いっていうより、見てるお客さんが見てて面白いっていうのが大事なわけだから。そこをどのくらい面白くできるかなっていうね。 ―お客さん発言が出たところで見てくれる方に一言お願いします。 今回初のアクションシーンとかね、そういった意味でオリカワ作品としては派手な感じのものになると思うので、今までとはまた違った魅力も出ると思うので、楽しみにしててくれていいと思うし、出さしてもらうのも楽しみにしてるので、ぜひ期待していて下さい。 ―紙面に書き切れない楽しいコメントありがとうございます(笑)今日はありがとうございました。 じゃあオフレコでもっと喋っちゃおうかな(笑)ウソウソ。今日はどうもお疲れさまでした。 (2003.06.27・新宿の某レストランにて/取材:水無月朋子) 魁 健朗 (かい けんろう) 1965年10月6日生まれ。東京都出身 劇団青年座出身。大河ドラマ『跳ぶが如く』 CX『シチリアの龍舌蘭』 TBS『最大口約ショー』レギュラーナレーション・レポーター等、数々のTV・舞台・映画に出演。近年では日韓合同公演の舞台『玄界灘に咲いた梅の花』にて日本側主役・徳川頼宣役をつとめる他、半谷利希監督作品『秘密探偵』に主演、最新出演作であるVシネマ『雀奴(ジャンヌ)』(主人公の雀士と敵対する暴力団幹部役で出演)が発売となる。2003年夏に制作される新作ホラー映画『デリート(仮題)』に準主役として出演が決定。現在アクターズ・プロモーション所属。 |
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