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日常とはかけ離れた役は、 演じていて楽しいものでございますね ■ |
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あわただしい撮影の合間に、快くインタビューに応じて下さった馬場泰光さん。その絶妙な語り口からは、今回の役とは正反対の人の良いお人柄が感じられました。そんな馬場さんに、悪役に対する思い入れや、お芝居に対する熱意を伺いました。 ―最近のお仕事の状況を教えて下さい。 はい。きっかけはですね、私が勤めております劇団『前進座』の井の頭通りを挟んだ向かいにですね、ご町内の掲示板がございまして、そこに「俳優を募集しています」っていう張り紙がしてございましてですね、これは!と思ってメールを送ったのが初めでございます。それでオリカワさんと連絡を取ってじゃあ会いましょうっていうことで。 ―知らない団体と会うことに抵抗はなかったですか?? ものすごく真面目で、情熱的に映画制作に取り組んでるんだなってことで、こういう熱意のある人と一緒に仕事をしたいなって思ったものですからお引き受けしたようなもので。しかも作品を海外に持っていこうとか、インターネットで配信しようとか、写真展とか、いろんな企画を持ってらっしゃる方なのでそういうところがものすごく気に入りましたね。 ―自主制作作品に出演されることについてはどう思われましたか?? ひとつには、僕は芝居というものに飢えてましたから、お芝居ができるんであれば…っていう思いはあったんですよ。非常にこの、海の上をボートに乗って漂流してるみたいな、周りに水はあるのに飲めない…みたいな、逃げ水を追うような気持ちだったんで。 だけどご一緒させていただく方っていうのは大事ですから、監督さんとかスタッフさんとか共演者のみなさんとかね。だから、そういった人たちが皆さん良い方で情熱的な方だったんで、非常に嬉しかったですね。 −役者を目指されたきっかけは何だったんですか? 元々お芝居に興味があって、以前はシナリオの勉強もしてましたし、もっと若い頃は映画監督やりたいなって思ってた時期もあったんですけど、サラリーマンやってて辞めた時にたまたま新聞で俳優のオーディションの記事を見つけたんですよ。それまではお芝居に興味はあったんですけど、プロデューサーとかシナリオとか映画監督とかの方で、出るってことはあまり考えなかったんですよ。だけど今は何にもないし、じゃあ出る方をやってみてもいいんじゃないかと思ってオーディションを受けたら受かったんですね。…で、TVや舞台の話が来て、やってるうちにのめり込んで行っちゃったんですよ。最初からお芝居をすごくやりたい!って思ってたわけじゃないんだけど、もう、やってみたところから逆にのめり込んで行ったってことですね。 ―今回、悪役を演じることについてはどう思われますか? もう大好きですね(笑)。私はだいたい根が善良でございましてですね、虫を殺すのも嫌なタチだったりしますから、やっぱこう、拳銃をぶっぱなしたりとか本当はしたいなって、人を撃つシーンとかもやりたいなって思ったんですよ(笑)。…で、最初は浴衣で仕込み杖持ってバサバサ切らせてくれって言ったんですけど監督が「人を殺すのは嫌だ」って言うことで却下になっちゃって、浴衣も却下になっちゃって非常に残念だったんですけど、そういうアクション的なことで人をバッタバッタやるなんていうのは爽快感がありますよね(笑)。日頃悪いことをしないもんで、ついついこう、役の中ででもそういうことができるっていうのは嬉しいもんでございますね。 ―夏場の現場でのご苦労や、逆に楽しいと思うようなことはありますか? しんどいのはやっぱ、脱水症状を起こすくらい暑いですからね。森の中では風も吹かないし。シャツの色が汗で変わっちゃうし、だから一日の撮影の間に色が変わっちゃって繋がらないんじゃないなっていうね。とにかく体力的にきついですね。熱射病とか脱水症状とかね。夏は好きなんですけど暑いのは弱いんで、暑いっていうのが純粋にきついですね。あとは…夏の撮影でいいことって言ったら何でしょうねぇ…。何にもないんじゃないかなぁ、虫はいっぱいいるしねぇ…(笑) まぁ女の子が軽い服装になってて目の保養になるってことくらいじゃないですか?(笑) −それ書いちゃいますよ(笑) ところでご自身の役の見せ場としてはどこだと思われますか? そうですねー…木に激突して気絶しちゃうところですかね(笑)。悪役としてはカッコ悪いんですけど、そういうところはやっぱ見せておかないと(笑)。悪役やりたいとか言っておきながら地は三枚目でございますので、ぼよよーんとかなってしまうところは見て欲しいですねー(笑)。最初は水に落ちるってのも考えましたけど、それだとそれっきりなんで、その後のリアクションもふまえて、ちょっとお客さんの笑いを誘えれば…って思います。 −今回の作品をご覧になって下さる方に一言お願いします。 共演者のみなさんがお上手なんで、楽しい作品になっていると思うんで、ぜひ楽しんでみてもらえると嬉しいですね。 ―お忙しいところありがとうございます。まだ撮影が続きますが、がんばって下さい。 いえいえ、こちらこそありがとうございました。 (2003.09.06・撮影現場の休憩所にて/取材:水無月朋子) 馬場 泰光 (ばば やすみつ) 1971年1月3日生まれ。東京都出身 その個性的なキャラクターを生かし、『SONYハンディカムCM』・TBS『金曜日のスマたちへ』をはじめ、舞台『天保十二年のシェイクスピア』など、舞台を中心に映画、CMなどに多数出演。現在は劇団『前進座』所属。 |
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