僕の実家のある町から、瀬戸内海沿いを走ります。
親の運転する車で走ります。
ペーパードライバーで悪かったな。
途中で車を止めてもらう。
瀬戸内海の写真を撮るためです。
「いつも見てるのになんでまた・・・」
そういう視線を感じる。
サイトのネタにするんです、そんなことは言えませぬ。
「久々に帰ると、郷土心がね・・ごにょごにょ・・」
これらの写真は、いわゆる『撮影ポイント』に指定されてる場所。
でもねー、もっといいとこいっぱいあるんだけどなあ。
しょうがない、そういうのは地元の人間だけが楽しむものなのかもしれない。
それを考えると、自分が他の場所に旅行しても、その裏にはもっといい場所が隠されてるワケで。
はがゆい。
40分後。
尾道(おのみち)駅に到着です。
駅の前はどんどん開発されていってますが、駅はちっさいまま。
それでいい。
僕の思い出は、このちっさい駅にぎゅうと詰まってるわけですから。
駅の背後には、斜面が続きます。
ここに家がいっぱいあって、坂も急です。
さびしんぼうな人がいたり、転校してきたり、坂を転げ落ちたり、時をかけたりする少女のいるとこです。
駅前には、さっそく垂れ幕が。
マニアックな取りあげ方かと思っていましたが、結構大掛かりにやってるみたいです。
「ほれあそこじゃ」
親父が唐突に言いました。
ん?
駅の前を尾道水道が流れてまして、その対岸。
ああ、
あったあった!
でも、なんか想像してたのとちょっと違う。
なんかこう、もっとどおーんと構えてるのかと思ってた。
デパートの屋上に垂れ幕がかかってるみたいじゃない、あれ。
「向こう側に行かんと、ちゃんと見れん」
と親父はささっと舟のチケットを人数分買ってきました。
こういう時テキパキしててすばらしい。
とてもいい助監督になれそうです。
意外と人が集まってます。
みんなそんなに大和が見たいのか??
後で知ったことですが、のべ40万人を突破したそうです。
ひえー!
そんなに人が来たら、沈んじゃうよ、この町。
あら、こんな看板も。
出発です。
この舟は、ずいぶん昔から知ってるけれど、乗るのは初めてです。
船着き場のおじさんも、切符きりのおばさんも、なんか生き生きしてます。元気いっぱいです。
大和効果絶大。
それとも、尾道の人はもともと、観光客慣れしてるのかな。
対岸の造船所が近付いてきました。
そう、大和が尾道に作られたのは、ここがゆかりの場所だからじゃなくて、スペースもあって造船所があるから、なんですね。
(続く)
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