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シュワちゃんの銅像を捜せ!(3)

挑戦者:工房の主人


俺らの4人部屋には、俺、日本人の男、オーストラリア人、イタリア人が一緒になった。
俺らはしばらく4人で談笑した。
えー、正確に言うと、
オーストラリア人が一人で大声で超早口でしゃべりまくり、俺がその相手をし、日本人の男はただ黙って聞いていて、イタリア人はひょうひょうと自分の荷物を片付けた。

すみません。
ちょっとウソつきました。

俺は、ただ笑ってるだけでした。
話が分かってるフリをしてるだけでした。

夕方になった。 オーストラリア人は、「じゃ、俺ちょっと出かけてくらー」って感じで出ていった。
俺は彼を、満面の笑みで見送る。
俺らはそのイタリア人と飯を食いに行くことにした。
このイタリア人、ほんとのほほーんとした人で、あまり熱心にしゃべるわけでもなく、かと言ってつまらなそうにしているワケでもない。
気が楽だった。
俺たちは連れ立って、薄暗くなりつつある街を歩いた。彼が先頭である。
俺は日本人の男に話しかけた。
こんな時、日本語は暗号になる。
「ね、ちょっと彼を観察してみよーよ。」

★緊急検証企画!
果たしてイタリア人はほんとに道行く女性に声をかけるのか!?

彼は俺たちの前を歩いていく。
軽く鼻歌を歌いながら、フラフラ揺れながら歩いていく。
隊長!前方に若い女性発見しました!
OK!検証開始!

俺たちが固唾をのんで見守る中、イタリア人はすれ違う女性をふらーっと目で追い、そのまま歩き続けた。
隊長!何も起きませんでした!
そうだね。
検証終了。
俺の脳内会話も終了。
なんだ、やっぱり今晩は俺たち男3人で食事か…

ちょっと個人的にがっかりした。

******
翌日、俺は日本人と組んで観光をした。
「ちょっと、一緒にまわってもらえませんか?」と言われたのだ。
彼は一週間の滞在なので、びっしり予定を組んできている。
一方俺はなーんにも決めてない。
断る理由もない。
「いいよー。」

とある宮殿では彼が入場料を払って中を見学している間、俺は庭をぼーっと散歩したり、というような感じで半日街をうろつき、お昼過ぎに彼は街を離れた。
「じゃあ」「いろいろありがとうございました」
で、俺もそのままユースホステルに戻り、荷物をまとめて出発することにした。

…あれ?
シュワちゃんの銅像は?…

すみません。
急にどうでもよくなっちゃいました。

いろいろ街を歩き回ったんですけどね、シュワちゃんがらみのことは一切目にも耳にも入ってこないんですよ。
パンフレットにも特に何も書かれていないんですよ。
銅像とか記念館というものはきっと、その人が亡くなってから造られるものなんですよ。
俺は勝手にそう結論付けたわけなんですよ。

グラーツの駅で電車を待っている間、ちょっと小腹が空いたのでファーストフードの屋台でハンバーガーを注文。
これがまたジューシーこの上なく、ハンバーガーを持ち上げた瞬間に汁がポトポト、とズボンの股間の上に落ちた。
シミができてしまった。
数えると大小7つ。
7つの傷を持つ男、ってのはいたけど、俺は7つのシミを持つ男だな。
そんなシミったれたことを考えながら、ぼんやりと電車を待っていた。



 

 

追記:
実は今回この記事を書くにあたって、グラーツの街のことをネットでかなり検索しました。
なにしろ当時はパンフレットもなく、まわった場所の名前などがさっぱり分からないためです。
で、その中でいろいろ気になる記述を発見したので掲載しちゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

気になる記述その1:

『グラーツはアーノルドシュワルツェネッガーの故郷である。それゆえ彼の経営するアイスクリーム屋は、LAとここグラーツの2箇所にあるのだ。オーストリア人にとって、モーツアルトとシュワルツェネッガーは世界に誇れる有名人だそうだ。』

 

 

 

 

気になる記述その2:

『…グラーツの市街および郊外を一望できます。 (中略)…市庁舎や劇場に混じって、 アーノルド・シュワルツェネガーの生家も紹介されてます。』

 

 

 

 

 

 

 

 

ご旅行は計画的に。

 


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