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シュワちゃんの銅像を捜せ!(1)

挑戦者:工房の主人


俺は『ロッキー』が大好きで、その主演のスタローンのファンでもあるのだが、スタローンのライバルであるシュワルツェネッガーもそんなに嫌いではない。
そのシュワルツェネッガー(以下、シュワちゃん)がオーストリア出身だということは、俺が映画が好きになり出した頃に知った。
まぎらわしいが、コアラやカンガルーのいるオーストラリアではなく、ヨーロッパのオーストリアである。モーツアルトの出身地のオーストリアである。

で、だ。
大学時代、3回目の3年生の夏休みに、1年半貯めたお金を使ってヨーロッパを回った。
その道すがら、オーストリアを通ることにした。
ふと、シュワちゃんのことを思い出したのだ。
あれだけの国際的スターである。ひょっとしたらオーストリアの、彼の生まれ故郷のグラーツという町には、彼の銅像とか、記念館とかそんな何かがあるんじゃないだろうか。
そんな興味だけで、オーストリアのグラーツに立ち寄ることにしたのだった。

ある天気のいい日、俺はグラーツに向う電車に揺られていた。
駅の中に貼りまくられているポスターを想像する。
…『シュワちゃんの生家はこちら!』
…『シュワちゃんの故郷へようこそ!』

電車はグラーツの駅のホームに滑り込んでいく。
…『ようこそシュワルツェネッガーの故郷へ!』
電車が止まる。
ゆったりと、俺は電車を降りる。
ゆっくりと辺りを見渡す…
気分はターミネーター。
シュワちゃんのポスターは…

ない。

検証終了………?

 

いかん!
ただポスターがないだけだ!
売店には『シュワちゃん饅頭』、はたまた顔の部分がくり抜かれてそこに自分の顔を入れて記念写真を撮る巨大パネルとか…

ない。

いや、きっとあるはずだ。
きっとどこかに何かあるはずだ。
絶対見つけてやる。

俺はこの町に一泊することにした。

 


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