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手作り映写機に挑戦する(5)

挑戦者:工房の主人


おまたせ!

という感じで今回は始めます。
なにしろ、半年に一回くらいしか更新されないこのコーナー。

書いてる本人ですら、忘れそうになります。


卓上サイズの手回し映写機を自分で作ってしまおうというこの企画。
その後、いくつかの進展が見られました。

今回は、実際に投影に成功したことをまとめます。
ああ、この『投影』というコトバの何と魅惑的なことでしょう!

映写、幻灯、幻影、からくり‥
こういったコトバに、僕は身もだえてしまうのです。
たまらなくなって外にかけ出し、夕日に向かって「バカヤロー!!」とニコニコしながら叫びたくなるのです。
このコトバがたまらないので、今回はくり返し使うことにするのです。

さて、その投影、です。
‥身悶えつつ、解説を続けます。
映写機の仕組みが分かった僕は、身の回りにあるもので、とりあえずスクリーンに何かしらを投影してみることにしたのです。



最初は、肝心のレンズ。
これは、家にある16ミリ映写機から取ってきました。
なんだ、家にあるんじゃん、という諸兄のために書いておくと、この映写機はアンティークもので動きません。

‥‥てゆうか、第一回目の記事で既に書いてあったのです。
自分でも書いたことを忘れているくらい、はるか昔の更新です。

このレンズを、台に固定します。
台と言っても、その辺の空き箱に穴を空けて使いました。



なにしろ不格好ですが、今はまだいいのです。
そのうち、すごいことになるのです!

投影するには照明も必要です。
これは、机の上のライトで代用です。

最後にスクリーン。
これは、卓上カレンダーの裏を使います。



さあ、役者は揃いました。
投影開始です。

おっと、何を投影しようかな。
目に入った郵便物を使います。




投影

です。
ドキドキの瞬間です。

最近は、一人で部屋で黙々と何かしらやっているこの状況を、客観的に眺めることができるようになってきました。
ひと桁の歳の頃からまったく変わってませんからね‥‥

さあ、スクリーンよ、応えておくれ。





ライトを付けます。











翼よ、あれがパリ映写機の灯りだ







おー!映った!映った!!

何かよく分からんが、とにかく映ったのだ。

僕が人生で初めて自作映写機で映した文字は、


料金別納


でした。





静かに興奮しつつ、僕は次の投影物を探しました。

しかし意外と印刷物ってないんですよね。
ふと気が向いて、「もの」を映してみました。



鉛筆ですね。




映った!映った!





次は携帯です。




なんとなく。


そうだ、こんなのがあった!





ターミネーターです。
どきどき。






おー!映画だ-!


しかし、ふとあることに気づく。
どうも全体的にボンヤリしているのだ。

距離の問題とか、フォーカスの問題ではない。

そうか、投影させるもののサイズが大きすぎるのだ。
フィルムは細長いからな。


そこで、細長く切った紙を準備します。
16ミリとか35ミリとかって言葉は、フィルムの幅のはずだから、この辺をしっかり考えないといけないのだろうけれど、そんなことはいいのです。
とにかく早く実験したくて仕方ないので、先にどんどん進んでしまうのです。




テキトーに細長く切った紙を準備。
絵を描く。
投影



幅は問題なさそうだけど、上下が少しぼやけてる。
そうだよ、フィルムって横長なんだよな。
絵を描き直す。




投影



いい感じだねー。

いくつか、さらに気になる点を思い付いた。
絵が上下逆さになってしまうこと。
これは、上下逆にして写せばいいので問題ない。

もう一つ、左右も逆になってしまう
これは困った。
絵を描く時から気をつけないと行けない。

フィルムの場合は、その点すばらしい。
逆から写せばいいのだから。
しかし紙フィルムの場合はそうはいかない。
まあ、そのうち解決できるでしょう。



しかし、先ほどまで身もだえてた僕は、すでに飽きて来ているのである。

「おいおい、飽きっぽいにもほどがあるぜ。 これだけ長い時間かけてあれこれしてきたんだから、もうちょっと身をひきしめてくれよ。」

と、自分に問うてみる。
すると、自分は答えるのである。

「いやまあ、飽きっぽい性格は否めないんだけどね、なんかつまんないんだよね。だって、考えてみてくれよ、俺、何してる人間よ?映画作ってるんだよ。映画。映画って、映像よ。映像って動くものよ。今やってるのって、一枚一枚の画像を写してるだけじゃん。 投影?まあ、身もだえる言葉だけどよ、動いてなんぼじゃない?」

僕は、自分の言葉に激しく納得してしまったのである。

そう、動かないからカンドーがないのである。
そのためには、一枚一枚手で持って投影するわけにはいかないのである。

不格好でもいい。
本体を作る必要にかられてきたのである。

ここから先、ちょっと道のりが長そうである。
次の更新は、いつになってしまうのか。
それを考えてはいけないのである。
前進あるのみなのである。

ボディーは、まずは段ボールで作るしかない。
いずれ、アルミ製くらいにはするよ。
レンズは、とりあえずうちにあるやつで。
今後、複数作る際はどうしたらいいのか、一瞬頭をかすめるが、気付かなかったことにするのである。

あと、紙フィルム。
これは、ゆずれない。
なにしろ、自由に作品が作るれるためには、作品は紙である必要があるのである。
フィルムなんて用意できないのである。

そう。
映写機を作るだけでなく、投影する作品も次々作っていくつもりなのである。
だって、作家さんなんで。一応ね。

こうして僕は、次なる目標へと旅立って行くのであった…

(つづく)


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