ホーム突撃!映画体験隊 「大阪物語」〜大阪名物食べ尽くし大作戦〜(1)

「大阪物語」〜大阪名物食べ尽くし大作戦〜(1)

挑戦者:にゃろめ


私は大阪が好きだ。
中学の修学旅行で行って以来関西にハマり大反対する親を説き伏せて京都の大学に行った。大阪の大学は受験させてもらえなかった。
その理由は

「銃で撃たれるかもしれないから」

・・・そりゃないだろ、お母さん。
 大学を卒業し関東に帰ってきたものの青春時代を過ごした大阪・京都は私にとって特別の場所だ。
市川準監督の「大阪物語」。
大阪への思いがたくさんつまったこの映画の中には美味しそうな食べ物もたくさん紹介されている。明治軒のオムライス、北極のアイスキャンデー、蓬莱の豚まん、大きちのたこ焼き・・・etc。
そこで飛び出したのが今回の企画『大阪名物食べ尽くし大作戦』だ。
私はあまり乗り気でない相棒を無理矢理連れ出して大阪ミナミへと繰り出した。

 

目指す一軒目は「自由軒」。
生卵ののったドライカレーで有名なお店。
暖簾をくぐって店に入ると何やら不思議な空間が広がっていた。色あせたチャップリンのポスター、店を訪れた芸能人の黄ばんだ色紙、かっぽうぎを着たおばちゃん達・・・昭和初期を地でいっている。
昼の二時だというのに狭い店内は人でいっぱいだった。見るからに地元民ばかり。片やガイドブックとデジカメを持っている私。明らかに浮いている・・・しかしこちらにも強い味方がいる。根っからの大阪人である私の相棒である。気を取り直して名物カレーを注文する。
しばらくして料理が運ばれてくる。ドライカレーの真ん中に生卵。そうそう、これですよ、コレ!生卵をご飯に混ぜ、ソースをかけていただく。
一口食べてみると ・・
何だか不思議な味・・・
一言でいうなら、
うままずい。

辛いものが苦手な相棒は黙々と食べている。同じく黙々と食べる私。
向かい合わせで座っていた母子の会話が聞こえてくる。
娘「カレーの上に生卵なんて信じられへんわ」
母「ほんならお母ちゃんもらうわ」
娘は母の皿に自分の生卵をのっける。
客の8〜9割が生卵入りのカレーを食べているのになんと言う大胆さ、さすがはナニワっ娘・・・と呆気にとられる私と笑いを堪えている相棒

続く二軒目はアイスキャンデーで有名な「北極」。
相棒「何でこんな寒いのにアイスやねん(呆れ口調)」
私「いいの。今日は大阪名物を制覇しに来たんだから」
相棒「俺は食わへんで(冷たい視線)」
私「・・・いいよ。一人で食べるから」

私はカタカタ震えながらイチゴのアイスキャンデーを食べた。
いつかどこかで食べたような昔懐かしい味。チャリンコに乗ったおじさんがチリンチリンと鐘を鳴らしながら売っているような・・・と浸る間もなく私達は法善寺横町を目指す。

(つづく)


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