ホーム突撃!映画体験隊 寅さんの故郷を訪ねる(5)

風の吹くまま気の向くまま〜寅さんの故郷を訪ねる(5

挑戦者:水無月朋子


寅さん記念館

たっぷり3階分の階段を降りて行くと、建物に囲まれた中庭に出た。傍らにお土産屋さんを発見。さっそくお守り袋を物色してみる。中舘氏はビデオのパッケージで何度も色を確認し、散々選びに選んだ末、映画で使っていた物に近いひとつを選んだ。このお守りを首からぶら下げてどこへ行こうというのだ。
その後も、中庭の敷石(寅さんが訪ねた都道府県を日本地図的に配置してある)を数えつつ
「富山県だけないはずやー」と確認。入り口に辿り着くまでの間、この間約20分。まだ館内にも入らないうちからとんでもない舞い上がりぶり…いや、すばらしいテンションの上がり具合である。
記念館の入り口には看板を付け替える寅さんらしきオブジェが。「らしき」というのは顔が見えなかったから。どんな顔をしているのかしら…と疑い深い私は下から覗き込んでみたけれどうまいぐあいに見えないようにできている。ある意味ミステリアスではある。入場料¥500也を払って中に入る。ここから先は撮影はダメよ、という但し書きがあったので、タテマエとして写真は撮れませんでしたと言っておこう。

入り口。顔は見えない

オブジェ下の雪駄。もう片方はどこへ!?

吟味しまくって購入したお守り袋はこれ

中には寅さんに関するものがいっぱい。くるまやのセットがある!居間がある!ああ、このテレビも何回も見た〜と、撮影で使ったセットに歓声を上げ、くるまやの模型の精巧さにため息を漏らす。最初のアトラクションからじっくり見て、寅さんと一緒に写真を撮り、Q&Aコーナーで上級まで制覇…と夢中になって遊んでいたら、いつの間にか蛍の光が流れ始めてしまった。
『えー!?まだ半分しか見てないのに〜!!』
…そりゃそうだ。
タッチパネル式のマドンナ名鑑や名場面集を端から、解説ビデオを一通り…なんてやってたら時間がいくらあっても足りないっつうの。時間配分を間違えた自分の痛恨のミスである。仕方なく、残りの半分は諦めて記念館を出た。それにしても、これだけ遊べて¥500は安い。寅さんファンなら平気で半日くらい過ごせること請け合い。お好きな人はぜひお試しいただきたいと思う。

名人コースまでクリア!寅さん検定上級の認定書

外に出るとそろそろ夕焼けの時刻。それは私のお酒解禁の時間でもある。…というわけで、渋る中舘氏を引き止めて、下町的オープンカフェでちょっと一息。情緒あるわぁ〜…としみじみしたのも束の間、通りの向こうにいた労働者風のおっさんとカブってた。どっちもただのアル中風情であることには気づかないふりをしよう。

スタ○なんかメじゃない。下町カフェセット

寅さんの故郷を訪ねるなんつって、ただの下町ツアーになっちゃった。だけど東京にはまだ「寅さんがよくラーメンを食べていた上野駅」や「八千草薫に告白されて腰を抜かした不忍池」なんかもあるではないの。それに東京以外にも、北は北海道から南は奄美大島、果てはウィーンまで…48作分旅が残っているではないか。寅さんの足跡をたどる旅は始まったばかりなのだ(本気か!?)。
風の吹くまま気の向くまま、いつかそんな旅にも出てみたいと思いつつ、葛飾・柴又の旅は終りを告げたのでした。


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