ホーム突撃!映画体験隊 ジャンヌ・ダルクの足跡をたどる(1)

ジャンヌ・ダルクの足跡をたどる〜シノンの旅(1)

旅人:ジョリ


 ミラ・ジョボビッチ主演の映画「ジャンヌ・ダルク」を観てから数年後、思いもかけずジャンヌ・ダルクゆかりの地「Chinon シノン」を訪れた。  
 結婚記念日にどこかへ小旅行をしようと言う夫の提案に、ロワール川沿いの小さな田舎町シノンに行くことにしたのは、たまたまわたしたちの結婚記念日にその町で「中世祭り」が催されると知ったからであって、その地に行くまではそこがジャンヌ・ダルクゆかりの地であることは知りませんでした。  

 昔の貴族のお屋敷だったと言う古い建物のホテルに一泊する予定で、車で出かけました。
着いてみるとシノンの町は思いのほか小さく、しかし絵本に出てきそうな感じのひなびたかわいい町でした。細い路地で迷子になりそうになりながらも石畳の道を歩いて行く途中、両脇に並ぶ家並みはとても古く、玄関の分厚い木の扉には細かい彫刻が施されているものも多く、中世の雰囲気を今に残す、のどかな田舎町。

玄関は古い木の分厚い扉
古い家が多い


 ホテルの窓からは、ジャンヌ・ダルクが皇太子シャルル(後のフランス国王シャルル7世)に謁見したと言われるシノン城が見えました。残念ながらこのお城は建物の多くの部分を失っており、謁見の間もすでに屋根の無い状態にまでなっていました。夜にはライトアップされ、崩れかけの様子を目の当たりにする昼間の風景よりもさらに凄みが増していて、ホテルから眺めていてちょっと怖いくらいでした。

シノン城(昼)
シノン城(夜)

 ちょっと散歩を‥‥と、夫と2人で町を散策。てくてく、てくてく。町の広場には大きなジャンヌ・ダルクの彫像があり、彼女の勇姿を馬にまたがる姿でダイナミックに表現してありました。そして、途中の道で目にした「ジャンヌ・ダルク」のプレートには 1429年3月6日、日曜日ににジャンヌがシノンの町に入った と記してあります。

ジャンヌ・ダルク像
ジャンヌの足跡

 ひとまずシノン城へ行ってみることに。  
 城の入り口にある塔は、今では「ジャンヌ・ダルク博物館」としてジャンヌゆかりの品などが展示されており、観光客用にビデオなんかも流れてました。ここでジャンヌの書簡を発見。映画でもあったように、村娘の彼女は文盲だったと思うので、この書簡もサインもジャンヌの直筆ではなく城の文書官による代筆でしょうね。ジャンヌの綴りが「Johanne」となっているのは、どうやら古い表記のようです。(現在は Jeanne です。)勢い良く書かれた文字に、しばし見惚れてしまいました。

城の入り口の塔
ジャンヌの書簡

 
 塔を上がって行くと、剣をかざすジャンヌの彫刻が置いてある部屋へ。映画の中では神が剣を与えてましたね、天から降ってきたのでしょうか。それとも、昔の兵士が落としたものを偶然に拾ったのでしょうか。まったくもって謎ですね。

剣を持つジャンヌの像

 
 ここの窓から下を見ると、木製の投石器が見えました。城の堀に当たる部分に屋外展示されているものです。とても大きく、タイヤ部分までが木製。この木のスプーンみたいなのでブン!!と石を投げ飛ばすんですね、映画にも出てましたよね。映画の中ではイギリス兵へのジョークとして、石に「HELLO」なんて刻み付けてるフランス兵が映っててけっこう笑えました。

投石器



 その後続けてシノン城(本体)のほうへ。こちらは半分崩れかけた感じで‥映画にも登場した「謁見の間」は屋根がまったく無い状態で、屋外展示?って思うような状態でした。ただ、当時の大暖炉だけが地味に残されていました。映画の中では、本物の王子を探し当てるジャンヌが‥ドキドキするシーンでしたよね。でも実際の部屋はもっと狭く見えたので、やはり映画は「映画っぽく」作ってあったんでしょうね。(映画に登場したお城は、どこでロケされたんだろう‥)

実は、ここで思わぬ本を発見したのですが‥それは次回お話します。

塔の窓からの眺め



(つづく)


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