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開店☆みなづき食堂

友達以上・恋人未満 −パスタ−

私の周囲の男性諸氏がぼやく言葉に「女ってどうしてそんなにパスタが好きなわけ!?」というのがある。かくいう私も、数ある麺類の中ではパスタが一番好き。その「好き」の度合いは、言ってみれば、本命にするほどではないけれど、けっこうオシャレで楽しいし、話してて飽きないし…という、気楽に付き合える男友達くらいの好意だと言える。
けれど男性から言わせると、スパゲティよりラーメン!ということになるらしい。事実、知り合いの女性の中には「旦那さんと出かける時には絶対にパスタを食べさせてもらえない」と嘆いている人もいる。彼女は、たまにはレストランでスパゲティを食べたくて、外出した時などに「たまにはスパゲティ食べない?」とリクエストするんだそうな。けれど彼女の旦那さんは「そんなもんは女子供が食べるもの」という認識が強いらしく、「いいトシした男がそんなところへ行けるか!」と一喝。結局、彼女は都内のラーメン巡りに付き合わされることになるのだという。うちの同居人はそこまで極端ではないけれど、店で食べるパスタは高いと文句を言う。ラーメンだって600円も出せばけっこううまいのが食えるのに、たかがスパゲティ、たかがグラタンがどうしてあんなに高いねんッ!…確かにその通りだと思う。

女の子はどうしてパスタが好きなのか。なんで男性はパスタを嫌がるのか。それはもう永遠に解けない謎である。だけど、レストランのパスタはどこか値段と内容が合ってないような気がしないでもない。同居人に言わせれば「しょせん粉モン」ということになるのだけれど、あまりおいしいのに当たったことがないのもこれまた事実。いっちょまえな値段を取ってるくせに、うどんみたいなスパゲティを出す店を私は少なくとも4軒は知っている。そんなもんを食べさせられた日には、早く潰れてしまえ!…と願わずにいられない。

さらに怖ろしい物にコンビニで売ってるパックパスタがある。これ、最高にまずくないですか?油まみれになってるのなんて最悪だし、時間が経って水分を吸ったパスタはでろでろで、歯ごたえもなーんにもない。パスタというより小麦団子という感じである。わざわざ買って食べようなんて思わないし、そんなもんを買って食べるくらいなら、多少面倒でもお湯を沸かして麺を茹でる方が何倍もおいしい。

パスタは、なんてったって茹でたてが一番。乾麺だって茹で時間さえ間違えなければ及第点のおいしさが味わえる。お値段が安いのもおうちパスタのいいところ。乾麺は300g(3食分)で100円程度。市販のソースを買ったって200円あれば2回は食べられて、まだおつりが来る。最近ではそこそこおいしいソースもたくさん売られているから、たかが10分か15分の手間をかけるだけで「割に合わないものを食べさせられて怒り心頭!」という余計なストレスを感じないで済むなら、ものすごくお得だと思う。

市販のソースでもそこそこおいしいけど、ホールトマトで作るポモドーロ(トマト)ソースもなかなかである。フライパンにぎょ!っとしてしまうくらいのオリーブオイルと、にんにくのみじん切りを入れて火を点ける。にんにくがきつね色になったら、玉ねぎのみじん切りを入れて炒め、缶詰のホールトマトを1缶〜3缶、ぐちゃぐちゃに潰しながらどどど…っと入れる。1缶あたり1個のブイヨンキューブ、ドライバジル、オレガノ、塩こしょうをぱっぱっぱ…で、かき混ぜながら10分くらい煮詰める。冷凍しておけば日持ちするし、にんにく多めとか、オイル少なめ…と自分の好みに変えられるのも嬉しいところ。使う時は、このソースをフライパンで温めてパスタをいれてかき混ぜればできあがり。その時に刻んだ唐辛子を入れれば「アラビアータ」となり、シーフードを加えれば「ペスカトーレ」に名を変える。パスタ以外にもいろいろ使える変幻自在のこのソースは本当に重宝するのだよ。次回はそのバリエーションなどをご紹介したいと思います。


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