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すばらしき魔法の粉 −五香粉−

前の項で五香粉(うーしゃんふぇん)という粉を使った。これはまさしく「魔法の粉」である。ぱっぱっぱ〜のさっさかさ〜で、あーら不思議、あっという間に中国4000年の歴史の味。北京か上海か…どこでもいいけど、中国の街角に立っているような気分にさえなってくる(ちょっと大げさか…)
同類に「香草(シャンツァイ)」という香草がある。中国パセリとか、パクチーとか呼ばれる緑の小粋なヤツである。
だけどどういうわけだか、私とシャンツァイは非常に相性が悪い。何度もトライして、今度こそは心を開いてくれるかも…と思っているのに、食べた瞬間、眉間のあたりが悲しーい気持ちになっちゃうの。自称ゲテモノ食いであり、タイでは露天で売ってるタガメ、メキシコでは芋虫の唐揚げ(テキーラに沈んでる白いやつ)…とかなりイイ線までクリアしているにも関わらず、これだけはどーしてもダメ。
シャンツァイはどっちかってーと台湾系。蒸し物とか揚げ物とかスープとか、とりあえずなんでもかんでもこいつを入れると、台湾の街角にトリップできる。お好きな方はぜひお試しいただきたいと思う。

ところで五香粉。但し書きを見ると、原材料に「陳皮・八角・桂皮・ういきょう・丁子・花椒」とある。五香じゃなくて六香じゃねえか!というクレームは、どうぞ緑キャップのスパイスの老舗へお願いしたい。ともかく、五香粉なのである。
ちょっと気の利いたスーパーなら¥200〜¥300くらいで売っている。¥300円程度で味覚の世界旅行ができるなら、なんとお安いことではないか。まさに香りの達人!すばらしいの一言をぜひ彼に贈りたい。

我が家ではこの魔法の粉を、鶏の唐揚げと見合いさせる。♪おはぎがお嫁に行くときは〜あんこときなこでお化粧して〜♪みたいなもん。(ちょっと違うか)
ともかく、小鍋に、お酢とお醤油を同量+豆板醤か唐辛子の粉を少々+五香粉をぱっぱっぱ…で煮立たせる。初夜の寝床には茹でたもやしとか、千切りキャベツを引いてあげて、その上に唐揚げを盛り付けて、これをざざっとかける。天蓋代わりにさらしねぎなんかをちょっと乗せると更に気が利いている。下に敷いた野菜まで五香粉のソースがしみしみになって、非常に美味。ごはんがすすむことこの上ない。ましてやビールのお供にもばっちりである。唐揚げはもちろん揚げたてがおいしいけど、お惣菜売り場に里子に出されてるやつでもけっこういけるはず。

この「鶏の唐揚げ中華風・五香粉ソース(勝手に命名)」や、春巻き以外にも、餃子や八宝菜にぱっぱとふりかけるだけで、料理の腕が3割増し上がった気になれること間違いなし。嘘だと思ったら試してみ。きっと中華街の王さんだって五香粉は使ってるはずなのだ。だとすれば中華の達人まであと一歩ではないか!これにエキストラバージンのごま油とにんにく、とうがらしを味方に付ければ怖いもんなし。悟空・八戒・沙悟浄もびっくりのスーパーモンキーマジック。魅惑のガンダーラまで一直線なのである。

 


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