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男の味方は女の敵か!? −メイン−

物騒なタイトルですが、初夏の頃になると敵っちゃ敵だよなぁ…と思ってしまう、揚げ物に関する考察。男の人は好きだよねぇ…揚げ物。いつだったか、飲み会で男性にメニュー選びをお任せしたら、出てくるもの出てくるものすべて「まっ茶色」。のっけからポテトフライ!とか、立て続けに唐揚げ!とか、ダメ押しにメンチカツ!とか。もうちょっとこう、さっぱりサラダ、とか、軽めにほたるいか、なんかに行かないもんかなと思いつつ、男性の「がっつり願望」を垣間見た一瞬でありました。

その例に漏れず、うちの家主も揚げ物が好きである。揚げ物は油の処理が面倒くさいし、部屋に匂いもこもるし、一緒になって食べたら肥るし…で、どうしても敬遠しがちなんだけれど、しばらくフライや唐揚げを作らないでいると、揚げ物〜揚げ物〜と、にわかアゲモノ教の信者となって奇妙な呪文を唱え続けるのである。

実家ののりちゃんは「新しい油をおろしたら、てんぷら⇒フライ⇒唐揚げ、の順で使って行くといいよ」と言うのだけれど、てんぷらは難しいからほとんどやらない。…となるとフライか唐揚げということになる。まぁ、油の後処理と洗い物がベタベタになることを除けば、フライってけっこう簡単ではあるんだよね。

うちでは、フライは全部冷凍が基本。豚肉と玉ねぎを交互に串に刺した串かつ。グラム¥60くらいの胸肉を削ぎ切りにしたチキンカツ。豚ロースの薄いぺなぺなの肉にチーズを挟んだカツレツ。ハンバーグを作ったついでにメンチカツ。たまにはとんかつも、時間のある時にがーっとたくさん作って冷凍しておく。塩こしょうをちょっと多めに振って、小麦粉+溶き卵+パン粉をつけて冷凍庫へ直行。時間のない時に冷凍庫から出して、千切りキャベツとトマトでも添えれば立派な夕食になってくれるレスキューメニュー。何種類か作っておけば、串かつ2本にメンチカツ1個…というような、バリエーションもつけられるしね。カツレツはトマトソースでいただいてもいいし、チキンカツやとんかつは、ちょっと多めに揚げておけば、翌日は卵でとじておどんぶりにもなってくれる。
唐揚げはそのままでもいいけれど、時間が経ってしまったら、だし汁とめんつゆに大根おろしをたくさん入れて煮たみぞれ和えとか、お酢とおしょうゆ、ねぎのみじん切りをどっさり入れたねぎソースをかけたりすると、また目先の変わった一品になる。

ああそれに、唐揚げといえば、鯵(アジ)やさんまを使った南蛮漬け。小鯵やさんまの切り身に塩こしょうして、片栗粉をはたいてとりあえず揚げる。その合間に、玉ねぎ・ピーマン・にんじんなんかを千切りにして、お酢2:お酒1:しょうゆ1+お砂糖少々と鷹の爪を煮立たせた漬けたれで和えればそれでよし。南蛮漬けはそのまま食べるより、しばらく寝かせた方が味がしみておいしいし、冷蔵庫に入れておけば3日くらいは日持ちするから、作り置きしておくとなかなか役に立ってくれる。

でもねぇ…。やっぱり油を使っているから、相手の希望通りに頻繁に作っているとどうしても肥ってしまう。男性の好みに合わせようとしてデブになってしまっては本末転倒ではないか。モテる女が全女性の敵でありながら、合コンでは必要不可欠な存在であるように、揚げ物は女性の敵でありがながら、男性の胃袋を掴む必須アイテムであるという歴然とした事実。この不条理なパラドックスをなんとかしてくれた人には、私は最大限の賛辞を送ることもやぶさかじゃない。…ってことは、エコナにスタンディングオベーションを送るべきなのか!?


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