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開店☆みなづき食堂

酒飲みの主張1 −お通し−

こちとら酒飲みである。待っている間に、ささっとできるものを出してもらいたい。いわゆる「お通し」というやつね。だけど家ではいくら待ってもお通しなんて出してくれないから、仕方なく自分で作ることになる。

そんなことを言ってはいても、実は居酒屋みなづきを開店する時に、作っていて一番楽しいのはお通しだったりする。
酒飲みの友達が来た時に「あ!和膳仕立てにしてあるぅ!」と誉められて以来、ちょっとばかし調子に乗った。小さな物をちまちまと盛り付けるのは、お皿の上に絵を描いているようでもあり、小さな箱庭か、はたまた人形の家でも作っているような気持ちにもなったりする。(ちょっと暗い)
そこで、ある時の前菜盛りをいくつかご紹介しちゃおうかな、とまたしても調子に乗ってみたりする。

(Vol A)
きぬかつぎ・・・いわゆる茹でた里芋。おしょうゆをたらしていただく
こんにゃくとごぼうの味噌和え・・・湯でこぼしたこんにゃくとごぼうを、お酒でゆるめたお味噌+砂糖+山椒で炒め煮に
いかキムチ・・・ハンパに残っていたいかのお刺身をキムチで和えてみた
さつまいもの甘煮・・・さつまいもを水+はちみつ、レーズン、レモンで軽く煮たもの

(Vol B)
きゅうりのゆかり和え・・・適当に切ったきゅうりを、梅酢+ゆかり粉で和えたもの。梅きゅうりの別バージョン
いくらおろし・・・大根おろしにいくらを乗っけただけ
合鴨のロースト・・・たまたま冷蔵庫にあった。ハムとかサラミでもいいかも
ひじきの煮物・・・お惣菜の残り

(Vol C)
さといもといかの煮物・・・たまたまあったお惣菜の残り
大根の浅漬け・・・大根の薄切りを鷹の爪のみじん切りと共に塩もみに。市販の「素」があればそれもよし
まぐろの角煮・・・まぐろのあらをしょうが醤油で煮たもの
揚げぎょうざ・・・ハンパに残っていた餃子を揚げただけ

どれもこれも冷蔵庫に残ってるものを適当にアレンジしただけ…っていうのは一目瞭然。他にも「お漬物の残り」とか、「ちょっとだけ卵焼き」とか、「ハムとチーズを重ねてみる」とか、「なんとなくアスパラベーコン」とか、あるものをちょっとだけ、でいいのがお通しの嬉しいところ。冷菜と煮物と揚げ物を一緒のお皿に盛るなんて!とバッフェのお店では叱られてしまいそうだけど、これまた前菜盛りなら許してもらえる。

ところで、料理の内容はともかく、ここで私がこだわっているのはお皿。これは絶対に黒。黒は色彩を引き立ててくれるから、素材自体がいい感じに主張してくれて、多少いびつなお料理でも、腕が3割くらい上がったように見せかけられる。まさにブラックマジック。黒魔術もかくやという感じである。黒いお皿を持ってない人は、この際にお買い求めいただくことをぜひお薦めしたい。…ま、そんな感じで、次回も「ちょっとしたおつまみ」でお会いしましょう☆


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