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永遠のヒーロー −オムライス−

オムライスって不思議だなぁと思う。オムライスを発明した人はエライ!とは、うちの同居人の言葉だけれど、ケチャップごはんを卵で包んだだけなのに、妙に人なつっこくって逆らいがたい魅力がある。事実、これが嫌いって人は今まで聞いたことがない。子供から大人まで、年齢・性別を越えて愛される永遠のヒーローっていうのかしら。懐かしくも色褪せることのない鉄腕アトムみたいに思えてくる。ただ、私はあんまりお米が食べられない。ずしんとおなかにたまって、ちょっと量を食べるとすぐ動けなくなっちゃうの。だから、一度でいいからオムライスを気が済むまで食べてみたいというのが、今の私のささやかな夢だったりする。

ブイヨンで炊いたごはんがあればいいけど、なければ普通のごはんにチキン、オニオン、ホールコーン、人参なんかを入れてチキンライスにする。どっかの洋食屋さんが言っていたのは、フライパンでケチャップを炒めてからごはんと合わせるのがコツなんだそうな。だけど、うちのオムライスではケチャップは使わない。ケチャップだと濃度が高すぎてごはんとうまく絡まないし、甘みが強いのもちょっと苦手。ごはんが固くなっちゃうのもあんまり好きじゃない。じゃあ代りに何を使うかというと、イタリアンの項で作ったトマトソースを使うのです。ケチャップを使ったチキンライスが「もさっ」とした感じだとすると、トマトソースを使ったものは何となく「ぺたっ」って感じになる。このへんは好みの問題だろうけど。

問題は卵の方。薄焼き卵の作り方。せっかく作ったチキンライスを包む段階になって、卵が破けちゃった!と悔しい思いをした人も多いのではないかしら。そこで、ここでは成功する確率の高い卵の焼き方を伝授しようと思う。

冷たいままのフライパンにバター入れて火を点ける。オイルだと卵が焦げついちゃうし、熱くなったフライパンだとバターが焦げて失敗する原因になってしまう。火は常に強火。バターがじゅわじゅわ言って来て、フライパンがあったたまった頃合を見計らって、卵2個分の溶き卵をじゃーっと入れる。フライパンをぐるぐる回して円形にしたら15秒〜20秒。いち、に、さん…と数えたらぱっと火を止め、さらに15秒待つ…とどうなるか。卵のふちが乾いてフライパンの肌から持ち上がって来るのだよ。その、浮いて来たふちをそっとつまんで持ち上げてひっくり返す。で、もう一回、いち、に、さん…と数えたらできあがり。

レストランでやるようなふわふわ卵のオムライスを作ろうとして玉砕⇒目も当てられない結果になるくらいなら、半熟よりは少し固めだけどこっちの方がよっぽど安全だと言える。そのまま型抜きしたチキンライスにそっと被せてもいいし、型に敷き込んでからチキンライスを詰めてひっくり返してもいい。ケチャップをだーっとかけると普通のオムライスだけれど、うちでは前出のビーフシチューソースをかける。いわゆるデミグラス風にするわけ。



一見、手間がかかりそうだけれど、チキンライスもシチューソースも冷凍できるから、時間のない時には卵を焼くだけでOKなお手軽さもいい。なんとなく洋食屋さんの香りがする、懐かしくもハイカラなオムライス。ぜひお試しいただければと思う。


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