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開店☆みなづき食堂 前項で作ったトマトソースを、色彩的に美しいムール貝とあわせてみた。ムール貝はガーリックを効かせたトマトソースとの相性もばつぐんで、赤と黒という色合いは、なんともエキゾチックかつ情熱的ではありませんか。
がっくしと言えば、昔よく行っていたクラブに、S美さんというものすごく美しい人がいた。凄みのある美人とでもいうのだろうか。彼女はいつも華やかなグループの中心にいて、きわどいドレスに身を包み、下品な英語もその美しさでねじ伏せてしまうような人だった。当時はまだ10代で、クラブ通いの駆け出しだった私は、彼女の姿を見るたびにため息をついていた。それがいつの間にか顔見知りとなり、会えば話をするようになって、ついに彼女と同居するまでになったのである。
ところが。一緒に生活を始めた彼女は、テレビを見ながらせんべいを食らう、魔性とはほど遠い普通の女性だったのだ。ナイスガイにエスコートされて、フローズンダイキリなんかをかっこよく飲んでたはずなのに…。「一番好きなのは焼酎のお湯割りなんだよねー」と言われた時はかなりがっくし、である。(現在彼女は、亡き彼氏の忘れ形見であるミックスベイビーの母親として生活している。会えばやはり美しくて、タフな女性である) 話がそれてしまったけれど、ともかくムール貝である。どんなところに生息していようと、美しいもんは美しいんである。
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