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ラスト・サムライ
2003・米
監督・脚本:エドワード・ズウィック
出演:トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之、小雪、福本清三 ほか

 正直な感想を最初に言うと、「まぁこんなもんでしょう」ですなぁ。
日本でもやった製作発表会見(ハリウッドにはそんな習慣はないらしい)の時は、トム様がおざなりで創る映画かなぁ〜と思うてたんやけど、その思いはいい意味で裏切られてたんで、良かったけどね。
過去において、ここまで日本人が観て納得できる外国産の日本映画はなかったんちゃうんかな。
話によると、真田くんがえらい頑張って、自分の撮影が無い時にも現場に行って、セットから小道具、衣装にいたるまで口を出してアドバイザー的な部分を担っていたらしいけど、スタッフサイドからはさぞかし嫌われていたんやろなぁ…。

 映画の予告編が上映され始めた頃、確かに自分もその真田くんより渡辺謙を観て「おっ?」と思い、映画の内容はおもんなさそうやと思いながらも、渡辺謙の芝居が観たいなぁ〜とゆうんで行くつもりやった。
…んが、しかしTVでCMが流れ出した頃から渡辺 謙が凄いとか騒がれ始めて、行くタイミングを逃していたんですわ。

渡辺謙はもともとうまい役者やし、例の病気さえなかったら、男にも人気のある、日本のトップになってたやろう役者やと思うてたからね。
そやけど映画観たら、渡辺謙はいわゆるいつもどおりの芝居、日本のTVや映画で観るいつもの渡辺謙やった…。
それもある意味、充分凄い事やねんけど、ハリウッド映画やからゆうたかて、気負うことなく自分の芝居をやるゆーのもそれはそれで、なかなかできることやないわな。真田くんは力入ってたもんな〜。

しかし今回のような事があると、どないしても、俺としては(俺の年代に近い人も)松田優作と重ねて考えてしまう。
優作さんの「ブラック・レイン」を観た時のあの衝撃、当時「やっぱり優作さんはこっちやで〜」とみんなで話してたもんなぁ。
TV画面の上のニュース速報が優作さんの死を伝えた時、あかの他人が死んで初めて泣いてもうた。(あともう一人だけ泣いたんがジャイアント馬場さんでふ。なんかラスト・サムライと全然関係なくなってきたな〜)

つまりやな、優作さんと比べてしまうと今回の渡辺謙はたいした事ないんやわ。観ていて衝撃が無かったんよ!
渡辺謙がアカデミー賞にノミネートされたとか、「バットマン」の次回作に出演が決まった等、マスコミが騒いでいるのを観ると悔しい思いがこみ上げてくるんは俺だけやないと思うんやけどなぁ。
あと気になったんは、殺陣がTV時代劇の殺陣になってたことかな。いわゆる悪人をバッタバッタと切り倒すってゆー、主役が圧倒的に強い殺陣。戦場での合戦の殺陣にはなってなかったような気がすんねん。真田くんもJAC時代の「伊賀忍法帳」を思い出させる殺陣をやっていて、変やったけど懐かしくておもろかった。
あとは菅田俊が「キル・ビル」に続きハリウッドづいてるな〜ゆうんと、背景を知ってるさかい、福本清三さんに目が行ってしまったゆう事かな。

ストーリーはまぁ、ありきたりやからなぁ。 ラストで涙が止まらんかったゆー人の気持もわからんでもないけど、主役級の役の人間が非業の死をとげたら、そりゃ泣くちゅーねん!
トム様と渡辺謙の友情を通じて、トム様がなくしていた誇りを取り戻すゆーんも判るんやけど、まぁ、よーある話ですわ。
CMで「サムライの遺伝子を持つすべての人達へ」ゆうフレーズは良かったけども、これがサムライだ!といわれるとちょっとちゃうんちゃうん!と。間違ってはいーへんけど、もっと侍の他の部分を伝えて欲しかったなぁ、と日本人のわては思うてしまいます。

払ってええでぇ価格:1,000円


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