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ミリオンダラー・ベイビー
2004・米
監督・出演:クリント・イーストウッド 脚:ポール・ハギス
出演:ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン、アンソニー・マッキー ほか

まぁ、観る前からアカデミー作品賞を獲ったぐらいやから、単なるボクシング映画やなくてヒューマンドラマなんやろな〜とは思ってたんやけど、また微妙な問題を取り上げた もんでんなー。   
感動して泣いてまう人もぎょーさんおるんやろうけど、オイラは微妙すぎてちょっとなぁ。
キリスト教が背景にある国では余計に微妙で、物議をおこしたんちゃうん?

ネタばれになるかもしれへんけど、“尊厳死”をテーマに置いた人間ドラマです。
前半はそれこそ老トレーナーと女子ボクサーのスポ根、ボクシング映画です。
確かにロッキー的と言える展開でしょう。  んが、監督クリント・イーストウッドが 描きたかったんはもちろん後半の“尊厳死”を扱った部分でしょうなぁ。

前半でイーストウッドとヒラリー・スワンクのドラマ部分を丁寧に描いていて、観ている方にちゃんと感情移入させてくれるんはさすがにうまいな〜と思う。
そやけど後半がヘビー〜!  アメリカでは丁度タイムリーやったし、何年も植物状態の 女性の処遇について、旦那と両親が裁判して大統領までコメントしたりしてねぇ。
言いたいことはモーガン・フリーマンがゆうてた「彼女は幸せだったはずだ。チャンスを与えてもらえて。 みんなチャンスさえもらえず、生活に流され、あの時やってればと 後悔して死んでいくんだ。」みたいな台詞やと思うんやけど。
そやからゆーて全身麻痺になり、片足も壊死をおこし切断してしまった愛弟子の女性ボクサーに頼まれたゆーたかて、“尊厳死”させてええもんやろか?
勿論、難しい問題やし、全身麻痺になり、回復の見込みもな「死」を望んでる本人と それを頼まれた方の人間のそれぞれの立場になると変わってくる問題やし。

頼まれた方も本人の強い望みと解っていても、その後自分が生きて行く上で物凄い傷に なってしまうしなぁ。 頼む方もそれを自分の一番信用してる人、愛してる人に頼まな しゃーないんやろけど、愛してる人を傷つけるゆーのを解っていながら頼むんもなー・・・。 この“尊厳死”の問題は倫理的な問題も含めよく協議し、さらに実行の手を下すんは 第三者、嫌な役目を押し付けることになるけど、医者がやらなしゃーないわな。

オイラも自分がその状況になったら「死」を選ぶやろなぁ〜とは考えた事はあるけど 「死」を頼まれる立場の方は考えた事は無かった。
自分の愛する人に「殺して。」と頼まれて、自分の今後を考えず、愛する人の為にその人を殺せるかなぁ・・・。
なんか色々考えさせられる映画でした。

払ってええでぇ価格:1,300円(難しい映画やなぁ、コレは。 )


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