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亡国のイージス
2005・松竹
監督:阪本 順治  脚:長谷川 康夫、飯田 健三郎
音:トレーヴァー・ジョーンズ  編:ウィリアム・アンダーソン
出演:真田 広之、寺尾 聡、佐藤 浩市、中井 貴一、勝地 涼、他

福井 晴敏原作の「亡国のイージス」は2000年に「このミス」のベスト10に 入ってたんで、図書館でかりて読んだんやけど、あんまり内容を憶えてなかったんよね。  本読んだ時はおもろかった記憶はあるんやけど、映画の予告を観ても全然おもいだせへんから、なんでやろなぁ〜と思ってたんですわ。

映画を観て理由が判りました。  祖国に対する想いが自衛官と某国の工作員の間で 思想的対立を描いてる作品やねんけど、観終わった後に印象に残らへんちゅーか、 観客にそれを考えさせる力がないんよなぁ。
これは映画だけやなく原作もそやって、エンターテーメントとしてはおもろかったんやけど、「あー、おもろかった。」だけで、いまいち記憶にのこるらへんのよ。
娯楽作として充分楽しめるからそれだけでもエエねんけど、せっかく扱ってるテーマが テーマやねんから、そのへんをもっと描いて欲しかった。
まぁでも、結構ブ厚かった原作でも、あんまり描かれて無かったと思うから記憶に 残ってへんかったんやろーし、二時間に脚本をまとめて、娯楽作として楽しめたんやから 充分合格点をあげれる映画やと思います。 今年観た邦画では一番おもろかった!

今回、阪本 順治は音楽にばりばりハリウッドで活躍しているトレヴァーさん(「ノッティングヒルの恋人」、「リーグ・オブ・レジェンド」、「80デイズ」他)を起用しはって、 これが映画に重みをまして、臨場感をかもしだしてる。  更に編集と音響もハリウッドから招いてるんよね。  そこが阪本さんやるなぁ〜、と大変感心しましたわ。
日本映画ちゅーとバカの一つ覚えの様に、千住 明か久石 譲ばっか使って、ええかげん 飽きてたし、オイラもつねづね映画は編集と音楽で全然変わるもんやと思ってたんで、 これは素直に阪本さんは偉いと思いましたわ。

それゆえに最後の方のCGのちゃちさがもったいなかったなぁ。 ここはバツーンと ILMに頼んで欲しかった。

晩年の黒澤作品を観てなかったんで、最近の寺尾 聡の芝居を知らんかったんやけど、 うまいなぁ、この人。 どうしても「西部警察」のイメージがあったんで・・・。
勝地 涼くん、この子の存在感はなんなん? 特別芝居が巧いゆー感じやないんやけど、 画面上で、真田くんや中井 貴一にひけをとらへん力は! なんか売れる人は若い時から 違うね。 なんかひがんでるみたいやけど、そー思ってまいました。
この作品には我らが 向出 淳拓くんも出演してるんで、みんなも観に行こう!

払ってええでぇ価格:1300円(前売り券で観たら充分満足。)


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