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スタンドアップ
2005・アメリカ
監:ニキ・カーロ  脚:マイケル・サイツマン 原:クララ・ビンカム、他
出演:シャーリーズ・セロン、フランシス・マクドーマンド、シシー・スペイセク リチャード・ジェンキンス、ショーン・ビーン、ウディ・ハレルソン他

ウチの近所の映画館では公開されてわずか二週間で終わるゆーことになってたんで、「地味そ〜ぅやな、どないしょうかなぁ?」と思ってたんやけど、行ってきました。
うわぁ〜っ!!映画館に行って観て良かったぁ〜!!!
めっちゃ話に引き込まれたし、おもろかったし、感動したし、うまいなぁ〜と、感動しました。

この映画は事実に基づいてるんやけど、全米初の、企業相手に集団訴訟でセクハラ裁判に勝った事例の映画化です。その集団訴訟に参加した女性達が書いた原作もあるらしいんやけど、S・セロンが演じるジョージーという主人公は実際には存在しない人物で訴訟に加わった何人かの女性を取材して、複合したキャラクターだそうです。
ちゅーことは、ノンフィクションの原作があったとはいえ、脚本は新たに考えられた物語ゆーことですやん。この脚本がうまかったやわ!前フリをうまい事ふっといて、ちゃんとそれぞれのフリにオチをつけてあるし、(ネタばれになるんで書かれヘンけど)一つの事実を隠すことによって、主人公が両親、親友、仕事仲間、町の人達からどんどん追い込まれていくんやけど、その隠されていた真実が明かされたことによって、大逆転につながるとゆう作りで、脚本の構成に関しては素人のオイラも巧いなぁ〜と感心してしまいました。 脚本に関してプロの半熟卵のウチの相方も「こんな巧い脚本を、私も書いてみたい。」とエライこと感心していました。

しかーしっ!巧いのは脚本だけやなくて、監督も巧い!!何処がうまかったの?どのシーンが?と聞かれると困るんやけど、映画のリズムがええんはもちろんやし、的確で無駄の無いカットわり、映画を観てる時は「無駄なんちゃうん?」と思ってたシーンも後から、「なるほどこの為に、あのシーンはあったんか!」と判るし顔のアップも「なるほどなぁ〜、ちゃんと観客の心理を考えて撮ってるなぁ〜。」と感心することしきり。突出したところはないんやけど、ひとつひとつの映画を撮るという才能(絵が綺麗とか、照明が美しいとか、編集が巧い等々)が、全部平均点以上あるんで映画としての完成度はかなり高い作品になっています。
これを去年観ていたら、「三丁目の夕陽」についで“オイラの年間ベスト10”の第二位に入っていたと思います。(今年はまだ六本しか観てませんが、当然ぶっちぎりの一位!)

この時期映画の宣伝で「本年度アカデミー賞最有力候補!」とゆうキャッチを見ますがこの映画を観る前に相方とも「何本、最有力候補あんねん?」ゆーてたんやけど、これはごっつう納得しました。看板に偽りなし!

こんな素晴らしく、レベルが高い映画がわずか二週間で終わってしまい、「有頂天ホテル」の様な、しょーもない、どーしょーもない映画が興行成績一位になってるなんていかに世間のみなさんはアホなんかと。映画をヒットさせるには宣伝にかかってんのかと。なんや哀しくなってきました。本来映画は口コミでヒットし広まるもんやのに「スタンドアップ」は宣伝やTVCMがヘタクソやった為に多くの人に観られず終わってしまう。CMを観た感じと実際に観た感じが全然違うし、逆に単館でやってた方が評判を呼んでヒットしてたかもね。男子のオイラがこんだけ感動しておもろかったんやから、内容からゆーて女子が観たらもっと良いことでしょう。
悲しい事に東京の上映館では半分が二週間で終了、残りの上映館も三週目の2月3日で終わってしまいます。これは是非映画館で観て欲しい映画です!
DVDでも感動できるでしょうが、映画館では映画に集中できるし、なんせお金を払ってみてるんで真剣に観る姿勢が変わってきます。興味のある人はマッハで観に行ってください!絶対に損はしません!(なんかオイラが“嘘つき”おすぎみたいやなぁ)

払ってええでぇ価格:1900円(もっと早く観に行って知り合いに教えてあげればよかった・・・。)


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