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男はつらいよ・第1作〜48作+特別編+TV版

監督・脚本:山田 洋次
出演:渥美 清、倍賞 千恵子、笠置 衆、前田 吟,太宰 久雄、浅丘 ルリ子 ほか

〇これを書こうとした今、三代目おいちゃん・下條 正巳さん死去のニュースを知りました。心よりご冥福をお祈りします。

さて「男はつらいよ」シリーズは映画館で観たことはありません。子供の頃から、正月等にTVで何本か観てたつもりやったんやけど、ちゃんと一本し通して観てなかったかも知れないです。
今回、一作目から通して観ての感想は「おもろい!」。さすが伊達に48作も作られたわけじゃないね。
「寅さんはハードボイルド」というのが、昔からの自説やったんやけど、困っている人の所にどこからともなく現れて、マドンナに心をよせつつも、表に出さず去ってゆく・・・。 俺はそうゆうイメージを持っていいたんやけど、観てみたらそないにかっこええもんやなかった。けど、あながち間違ってはいなかったとは思うけどな。

寅さんの魅力は、みんなが実際はやってみたいけど、できない事をやってるからやと思ってました。風のふくまま気のむくままの旅暮らし、ゆく先々で恋をしていく。
ある映画評論家の解説では、人は自分より下の人間を見て「バカやな〜」と安心しながら観て笑う…というので共感を得ていたらしいですわ。それも納得できますけどね。
さくらの家や、タコ社長の家、マドンナの家庭もみんな貧しくもつつましく生きる人々ばっかり出てきはるからねぇ。
(たそがれ清兵衛もそうやったもんな)

第何作が良かったとか、何作のこのシーンが良かった、マドンナの誰が綺麗やったとか挙げ出したらきりがないねんけど、今回第一作から通して観たんで、何といっても最後の寅さんになってしまった「寅次郎 紅の花」が一番感動した作品でした。

45か46作あたりから寅さんの元気がなくなり、声も張りがなくなって来て、タコ社長との喧嘩のシーンでも動けなくなって来てたんで、寅さん自身と山田洋次もヤバイなと思ってたんちゃうんかなぁ。
寅さんが死んでしまった為、最終話となってしまった「寅次郎 紅の花」は、マドンナがなんと十五年ぶりの「リリー」こと浅丘 ルリ子!!!
これだけでも、寅さんと山田洋次が最後になるんちゃうかと判ってたんかなぁ…と思わせるのに、話の内容も「男はつらいよ 最終話」を思わせる内容なんですわ!
ラストこそ、まだつづくよ〜ゆう感じになってるんやけど、ラス前には、寅さんと喧嘩したリリーが奄美に帰るゆうて、タクシーに乗り込んで立ち去ろうとする。
するとさくらに「お兄ちゃん、追いかけないの?」と言われた寅さんがトランクも持たず追いかけてゆく。タクシーに乗り込んで来た寅さんに、リリーが「どうしたのよ?送ってくれるの?」「うむ」「運転手さん空港まで。空港まで送ってくれるんでしょう?」「バカやろう、男が女を送るっていうのは、その人の家の玄関まで送ることだ」「運転手さん、奄美大島のあたしん家まで!」
もうあたしゃ涙ダダ漏れですわ。寅さんが亡くなった後から考えると、ここで終わっていたら完璧なエンディングやったんやけどね。
でもリリーが最後のマドンナでほんま良かったわ。知っててか知らずかはわからへんけど、特に第一作から通して観てきたわてには、最高の最終話でした。

全作観たからこんだけ感動してめっちゃ良かったって言うんかもしれへんねんけど、みんな「男はつらいよ」寅さん、観てくれぇ〜!

払ってええでぇ価格:無限大(お値段つけられません)


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