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18禁なお話その1
「カルティエ・男娼」の巻

le 19 juillet 2004

 ウチのすぐ足元はピガール。ピガールと言えば「パリの歌舞伎町」。
ピンクなネオンにポン引きの町です。そんなピガールのすぐ上は、映画「アメリ」で有名になったアベス地区があり、ウチはちょうどその二つの地域の真ん中あたりに位置してます。  
 アベス地区から上は地価高騰の嵐が吹き荒れる場所になってきたのに対し、ピガールは依然としてポン引きがうろつく町。しかしそれは良く言えば「人間の欲望と生活感あふれる場所」なのです。ピガールあたりをうろつくと、生きてるな〜って気がする。って言うとヘンだけど。なんだか、雑草とかコケとか見て嬉しくなる時の気分にも似てます。
あ、ちょっと違うかも。。。  

 そんなピガール界隈にあって、あることを発見しました。それは、ピガール駅を境にして、丘の上に向かう場所には女装した男の娼婦、下に向かう場所には女の娼婦がいること。なんでこうなってるの?とフランス人の友達に聞いてみたところ、「間違えないようにするためにね」って冗談げな笑いを浮かべて答えてくれました。  
 女装した男の娼婦。。。ウチの近くのこの男娼地区(笑)にいるお姉さんたちは、ハッキリ言って岩のような顔に、山のような体をしてます。どう考えても、真夜中でだって間違えはしない。いくら化粧してても、絶対に間違えない。泥酔してたって「きれーなおねーさん」とは思わない。そんな様相なのです。  
 しかし、ピガールから下ると、怪しげな形の窓をしたバーが連なる通りがあり、中をちょっと覗くと、きれーなお姉さんたちがミニスカートからすらりと伸びたきれいな足を出してバーカウンターに座っているのです。「お兄さん、ちょっと寄ってらっしゃいよ」ってな感じにね。あぁ、数十メートルと離れていないこの二つの地域で、こうも違うものかとつくづく思う。で、なんでウチの近くが男娼エリアなのか‥‥。どうせなら、きれいなお姉さんを見てるほうがいいに決まってる。女のわたしでさえそう思う。  

 それなのに、よりによって、ウチの玄関に通じる通りの入り口にはいつもその「たくましいお姉さん」が立って、お仕事をしているのでした。これも仕方ない、ご近所さんってことで、まぁ挨拶でもしようかな、と思って最初のうちは「ボンジュール」って何度か言ってみたんだけど、無理でした。毎回、無視。わたしが通るたびに、しれっとして反対の方向を向く。我が夫には、2度ほど満面の笑みで「ボンジュール!」と返事をしたらしいんだけど、わたしと一緒に歩いているのを見られて以来、無視されてるとか。(コイツは客にはならんな、と判断されたと思われる。)  

 アベス駅の前に立つ教会の入り口の頭上にはかわいらしい天使の像があり、中のデザインもとてもかわいくて、女性好みな教会。しかし、その真裏では3人の男娼がいつも立っているのでした。教会の裏は、天国ってことか‥?いや、あれは天国ではなく地獄かもしれない。あんな岩みたいな顔の‥‥(苦笑)  
 とっても興味ある点は、「男娼って一体どういうサービスをしてくれるのか?平均的な値段はいくらぐらいなのか?」ってことで、知りたいんだけど、女であるワタシにはどうにもできず。普通の男、しかも若い子とかを誘ってるところを見ると、ホモ相手の商売ではなく真剣にヘテロの男性を相手にしている様子。そこがまた妖しい感じがして、一体何をしてくれるのか?いくらなのか?と気になって気になって。  

 パリにお越しの男性諸君。一度試して、報告してください。女性の娼婦よりも安いんじゃないかって気がします。
さぁさぁ、勇気を出して!(笑)



ピガール周辺

これは、ピガールからクリシーに向けて歩いた時に見える昼間の景色。見てのとおり、S●Xの文字だらけ。この通りのこういった店は、映画をよーく注意して見てると時々ちらほらと出てます。「アメリ」ではメパラス・ビデオモという店が登場していたし、「ファム・ファタル」ではこのすぐ近くのエロショップ2階の部屋を外側から映すというショットで登場していた。「結婚7年目」にもこのへんのエロショップが舞台になっていた。  
 大通りの中央がバリケードで囲まれているのは、そこが緑あふれる遊歩道として改造されつつあるからなのです。もうクリシー付近は工事が終わり、まるで都会のオアシスのようにきれいになってます。(ピガール周辺は目下工事中で、騒音激しい時期です。)


エロ・ショップ

これがこのあたりで典型的な店。中が一体どうなっているのかは‥‥映画で見るとおりなんだと思う。CABINEと書いてあるのはエロ・ビデオを見る小部屋のことかなって思うんだけど。そうそう、「La Pianiste」というものすごくヘンなフランス映画があったけど(ほぼ同時期に公開された le pianist と混同しないように)、あの映画の中で女ピアノ教師がエロ・ビデオを観ていたなぁ。  
 テキトーにパチリと撮った写真だけど、若い男の子たちがちょっと楽しそうにウインドーを見てる姿がなかなかかわいい一枚。(笑)


ピガール、クリシー

メトロの駅ピガールとクリシーのちょうど中間にあたる場所に、ムーラン・ルージュがある。その斜め向かいがこのMONOPRIX(モノプリ)という大手スーパー。こんな超健全な店も、エロ・ショップに囲まれて平然としている。モノプリっていい商品を売ってる店なので、決してチープな店ではないのに。ある意味すごいね。


正式にはエロチック・ミュージアムという名前ですが、省略してエロ美術館にしておきます。ここでは全世界から集められたエロスを題材にした美術作品が陳列されているらしい。この写真では見えないけれど、中央の大きなウインドウにその作品のいくつかが展示してあり、あまりにエロ・グロなので写すのは控えました。  
 日本からは多分、江戸時代の春画なんかが展示されてるんじゃないかな?って感じです。  
以前友達に「秘宝館って知ってる?」と聞かれたことがあったけど、ここもある意味メ秘宝館モなんだろうなぁと思う。


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