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vol.10 「アルセーヌ・ルパン」  
こりゃ、ルパンじゃなくって孫かもね

 le 29 octobre 2004


 テレビで宣伝を見て気になっていた映画「Arsène Lupin」を見に行きたいと言っていたのは夫のほうでしたが、わたしも楽しみにしていました。だって、ルパンと言えば、わたしが子供の頃に図書室で読み漁っていた本でしたから。(でももうすっかり内容はアタマに残っていなくて、ルパン三世のほうがしっかり記憶に残ってます‥)ルパンが本国フランスでどのように映画化されるのか、わくわくしながら映画館へと足を運びました。  

 久しぶりに大きいスクリーンにちょっと嬉しげな夫。わたしたちはいつも小さいほうのスクリーンと縁があるのに、今回ばかりは大きいほうでした。しかし、やたらと客が少ない‥。評判悪いのかも、と言っていた夫の言葉が当たってるのかもと思う。  

 とりあえず、鑑賞。最初の5分、10分ほどはアルセーヌの幼少期の話で、なかなか良いスタート。子供だったルパンは父親から武術などを習っていたという設定で、ある日突然、自分の父が盗賊だと知るのでした。そして、アルセーヌ少年は、父の「仕事」の手助けをした‥。が、父親は警察に追われる身となり、うまく逃げたはずの父の遺体が海の近くの断崖で見つかる。顔がぐしゃぐしゃに砕かれた状態で判別不能なのですが、父がいつもしていた指輪をはめている死体。それは父以外の誰でも無い。そう思ったアルセーヌ少年は、大人たちに見つかる前に、そっと指輪を引き抜いて逃げ去る。  

 それから、13年後。ちょっとおっちょこちょいな怪盗アルセーヌが豪華客船上に登場。あのテこのテで女性を騙しつつ、宝石類をうまいこと盗んでいく。しかし、すぐにお縄になりそうになる。(銭形のとっつぁんは出てこないけれど、)コメディータッチで、なんだかルパン三世のような展開。で、青年アルセーヌはタキシード姿のまま、見事なダイビングを見せて海へと身を投げ、うまく逃げおおせた。  
 しかし、ナンですね‥。このあたりが実に、「正統なアルセーヌ・ルパンのファン」を引かせてしまったようです。まず、少年アルセーヌはけっこうかわいいのに、青年アルセーヌはジェントルマンとは言いがたい顔つき。どちらかというと、現代のうだうだしてる若者っぽい顔つきで、どうしてもヒスパニック系な印象が頭に残る。(「スパニッシュ・アパートメント」の主役男優さんです。)でもけっこう「実写版のルパン三世」ならイケルかも、って感じ。だからか、わたしは意外と抵抗感無く観ることができました。  

 けっこう長い映画で、話の展開が2転3転とし、映画としては面白いのです。全く飽きませんでしたし。しかし、どうも最近のこのテの映画はこんな風に作られる傾向にあるみたいね。
なんと言うか、ケネス・ブラナー監督(コッポラ製作)の「フランケンシュタイン(デ・ニーロ主演)」やら、マーティン・キャンベル監督(スピルバーグ製作総指揮)の「マスク・オブ・ゾロ(ホプキンス、バンデラス主演)」なんかの雰囲気。いわゆる「いつものパターン」から脱しようとして、壮大に描く傾向。あぁ、まただ。いや、それが悪いとか言うんじゃなくってね。(見ごたえがあるので良いと思ってます。)で、それにプラスして、最後のほうでちょっと「スター・ウォーズ」風な部分も見つけたりして。なんだ?パクリなのか?それともこれはオチなのか?  

 映画の中のルパンは次々に華麗に?盗みを働いていきます。しかし、ヘンな魔女に出会ってしまい、それが運の尽き?なんだかこの展開も不二子ちゃんっぽくて面白いんです。しかしこの魔女がクセモノ。ただものじゃない感じ。でも、そのただものじゃない感じが実によく描かれていて、魔女の存在感がものすごい。この映画を盛り上げてるのは実はこの魔女役の女優さんなんだな、と感じました。で、なんと、この魔女がカリオストロの子孫‥とかいう設定らしいのです。そういえばルパン三世に「カリオストロの城」ってありましたが、あれって本家ルパンの原作にもあるのかな?  

 映画の最後に、ルパンの隠れ家として知られている「奇岩城」が出てきます。原作では「L'AIGUILLE CREUSE」(空洞の針)となっており、よりそれらしい名前なんです。これは実際にフランスのノルマンディー地方(イギリスに近い方面)の海岸にある岩だそうで、そこに実際にルパンの博物館があるんですって!(岩の中は、実際は空洞じゃないと思うけど‥。)  

 映画の後半に、パリのオペラ座(オペラ・ガルニエ)の前で行われた壮大なロケのシーンがあります。これはすごい。だってね、オペラ座の前って言ったらすんごい交通量なんですよ。それをストップさせて、道路に砂を敷いて、着飾った紳士淑女&馬車を並べ立てたんですから。しかも数秒のシーンじゃなくって、けっこう長い。残念ながらワタシ、ロケ現場は見逃してしまったんですが‥いや〜、ロケ現場を見てみたかったです。  
 でもふと思ったんですが‥あの当時、オペラ座の前って砂だったの??なんとなく石畳な気がするんですが。この写真(→/↓)がわりとルパン当時の写真だと思うんですが、キビシイです、よく見えません‥。砂なのか、石畳なのか‥。いや、まぁそんなことはかなりどうでも良く思えるんですが。でも砂ってなんかヘンかな?と気になったもので。  

 この映画の中でもわたしの知ってる場所があちこち出てきたので、またしても夫と「ロケ地当てごっこ」になりました。そうそう、パリ市内にある、ちょっとびっくりな地下観光スポットも登場してましたよ!知ってる方もけっこういらっしゃるはず。みなさん、観てのお楽しみ〜。  

 映画の翌々日あたり、夫の友達に「ルパン、良かったよ〜」って言うと、2人の人に続けざまに「あんなの、どこがイイのよ!」ってパンチある言葉を喰らいました‥(苦笑)ま、どうやら2人とも原作ルパンのファンらしいので、仕方ないですね。
「それぞれの心の中に、それぞれのルパン在り」ってことですね‥理想は、理想。  

 ちなみに、今回の映画アルセーヌ・ルパン公開と同時に、テレビで昔やってたルパン・シリーズをやたら放送してました。
さすが本家だけあって、ちゃんと昔からルパンのシリーズがあったんですね。(イギリスの「シャーロックホームズの冒険」や「名探偵ポワロ」なんかは日本でも良く知られているけれど。)テレビのルパンは、さすがにジェントルマン。一般の「ルパン・ファン」はこちらのイメージのほうが強いんでしょうね、きっと。

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http://www.cinebel.be/fr/film.asp?Code_film=11825

 


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