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vol.9 「L'Americain」 

アメリカ人になる方法?

le 24 juillet 04

 L'Americain(アメリカ人)というタイトルの仏映画を見ました。自分は心の中からすっかりアメリカ人なんだ!と言い張る生粋のフランス人男性が、純粋なる憧れの精神のみから「僕ってアメリカ人でしょ?アメリカ国籍下さいよ!」と在仏合衆国大使館へ行って訴える‥‥といったおバカ映画。挙句の果てに「僕の家のある場所を、アメリカの51番目の州に加えてください!」と訴える始末。

 「アメリカ人はみんなバカだ」と思ってバカにしてるフランス人がやたら多いけど、フランス人だってバカばっかりじゃん、と思う。(この際、自分のことは棚に上げておきましょう!)で、この映画はそんなツボをなかなかよく突いた映画でした。
  「あなたがアメリカ人だと言うなら、合衆国の法律も守ってもらわねば、ねぇ。」と言うアメリカの警察官の言葉は、「公共の場(フランスでも禁煙となっている場)で平気でタバコを吸う、火のついたタバコを所かまわずポイ捨てする、セクハラの制限ラインすらもわからない」というおバカなフランス人に見事にパンチを食らわしてました。
そうなんですよ、フランスでは禁煙であるはずの駅構内での喫煙はおろか、車内で吸ってる人もたまに見かけます。日本でもそういうことはあるけれど、とにかくレベル(頻度)が違うんですよね。。。節度の無い人間、というのがフランスにはやたら多い。ルールも守らずに「自由と権利」を勝ち取ろうだなんて、ねぇ。  

 しかしこの映画に出てきたおバカなフランス人男性の一つだけ良い点は、それはつまり、純粋なる憧れの精神から「なぜ他の国の国籍がもらえないのか?」という疑問を打ち出したこと。  
たとえばフランスとパリに憧れ、フランス人と結婚したがる日本人女性は多いのでは?一昔前までは金髪・青い目のアメリカ人相手だったと思うけれど。もしもフランス国籍が欲しいとしたら、「結婚」という手段を利用して最終的にフランス国籍を取得するのが一番簡単。そうでないなら「養子縁組」もしくは労働許可を取得して‥‥と長い道のりになるので、やはり「結婚」がお手軽かな。(しかも「偽装結婚」ということもありうる。)でも結婚しただけじゃ国籍は変更できないので、国籍の変更を申し出なければいけないけれど。  
それと比べれば、この映画の主人公の男性の、なんと純粋なことか。「俺はアメリカを心から愛しているんだよ。それって、アメリカ人ってことでしょ?ねぇ?」
 彼はアメリカを心から愛しているけれど、アメリカ人女性と偽装結婚してまでアメリカ人になろうとは考えていない。それどころか、いまだに元・妻と息子を愛している。  

 この映画を観ていて「国籍」って何なのかな、と考えた。日本に生まれ育ち、日本で結婚してずっと日本に暮らしていたら、自分が「日本国籍保持者」だということにすら気がついてない人もいるかもしれません。なぜなら、国内において「国籍:日本」と記入する機会がほとんどまったくといっていいほど無いから。日本に生まれたから自動的に日本国籍が取得できる。当たり前の権利として日本国籍を持っているから、そのことに気がつかないけれど、もしもあなたが「日本国籍が欲しい」と思う外国人だったとしたら、日本国籍の取得がいかに難しいことか、その壁に悩まされるはず。  
で、生まれてきた子供の国籍って「生まれた場所、もしくは親の持つ国籍」によって決まるわけなんだけど、それってメ本人には選ぶ権利は無いモということよね。自動的に決められてしまうわけだから。縁もゆかりも無い国の国籍を得るというのは至難のワザである、ということ。  

 この映画の主人公のメアメリカ人になりたいフランス人モの元・妻の彼氏がなんとアメリカ人で、そのアメリカ人もどことなしに間が抜けている。目の前で星条旗が上がりアメリカ国家が流れる度に、胸に手を当てて歌ってしまう。梅干を見たらツバが出てしまう日本人の反応そのものって感じ。これが「典型的アメリカンなイメージ」というのがなんとも笑えます。  
それに加えて、この映画に登場する人物のほとんどが「おバカ」な設定になっていて、主人公の2人の友達も、絶対こんな人いないだろうってくらいの極度のおバカ・レベルです。見ていて呆れる人と、大笑いしてしまう人と、大きく分かれると思う。  

 ま、とにかく、「そんなのありえないだろう〜!!」って類のおバカ映画なので、そういうのが好きな方にはオススメです。(笑)フランスだと「あんなのテレビで放送されて観れば十分だよ」って散々なこと言われてますが。さて、日本では劇場上映されるのでしょうか‥???(1800円払って見るのはさすがにちょっともったいない気がするなぁ。笑)

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情報:
って上のような記事を書いたものの、ホントに日本で上映されるんだろうか?
フランスの映画館のサイトです↓(仏語サイト) http://www.allocine.fr/film/fichefilm_gen_cfilm=54218.html
映画のポスターの写真、映画の中のシーンの写真などが見れます。
オフィシャルサイトは無いのかも‥。


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