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vol.7 「Lost In Translation」

異国で途方に暮れちゃったら?

le 17 juillet 2004

 この映画は今年の初めごろに観たんだったかな?もう、いつ見たんだか忘れてしまったけれど、でもつい最近DVDが発売になり、しかも友達がプレゼントしてくれたので久々にまた観て、やっぱり「イイ映画だな〜」と思ったのでした。何がイイって、監督のソフィア・コッポラの視点が良い。頭イイ人だな〜って感じました。  

 まったくもって私見で申し訳ないんですけど、この映画を観るに当たり、まずはアタマの中を「英語モード」にしていただきたい。そうでないと、映画の世界に入りきれないと思うので。  

 わたしたちが例えばアメリカで迷子になったとしても、一応は中学3年間で最低レベルの英語を習ったはずなので、多分なんとかなるでしょう。でも、何をとっても漢字、ひらがな、カタカナの日本において、アメリカ人が迷子にでもなったら、本当に途方に暮れてしまうだろうって気持ちが痛いほどわかります。  
 もしもあなたがイランに旅行して迷子になったとしたら、あのミミズが踊ってるみたいな文字を目前にして、もう、どうやって発音して良いのかさえわからず、まわりの人みんなが怖い顔をしているように思えて、泣き出したくなると思います。  
 イランと東京を比較してはいけませんが‥‥なんでも揃ってて、お金さえあればなんとか楽しく暮らせる東京にあって、でも、何か足りない。満たされない気持ち。これがすごーく良く表現されてる映画でした。  
 迷子になったら、と書きましたが、実際に路上で迷子になるということでもあり、そしてまた、「通じ合える人がいなくて、心が迷子になっちゃった」という意味でもあります。  

 フランス人の義父母を連れて日本に帰国したことがありますが、彼らは日本語はおろか英語さえもままならない人たちで、レストランに入る度にメニューを全て説明し、ホテルに泊まる度にエアコンの使い方を教え、「暖房」「冷房」と漢字で書かれているので結局、たぶん使えないだろうと判断し、予約タイマーをセットして‥‥。
とにかく、手取り足取り世話をしたのでした。駅の自動券売機で切符を買うにしても、全く読めないことに逆に感動すらする義父母。「オォ!わたしたちはジャポンに来たんだね!」って実感がする瞬間。
 日本人がフランスに旅行する時には、事前に入念にチェック、そしてガイドブックで「ボンジュール」「ケスクセ?」「コンビアン?」など多少発音練習してみたりするものだと思うけど、義父母はわたしがついているので安心しきって、「コニチワ」「アリガト」しか言えない状態。でも、それが普通の外国人の姿だと思う。なんていうか、「いまさら日本語を勉強したって、ねー。難しすぎるでしょ。」とハナから諦めているのです。  

 さて、映画の話ですが、途方に暮れてしまった東京ライフの中で、それなりに楽しめる相手を見つけることができ、最初は遊び相手だったんだけど‥‥最期には本当にプラトニック・ラブにまで至ってしまうのがちょっと痛々しくもあり。  
 このDVDをプレゼントしてくれた子と一緒に再度この映画をウチで観たんだけど、最後のシーンでミスター・ハリスが彼女の耳元で何をささやいたんだろうか?と話してた時、友達は「きっと、メまた会おうモとか言ったんじゃない?」と。彼はまだ19歳と若いので、そんな青臭い回答しかできないのでした。そんな青二才に向かっ てわたしは「それは言っちゃいけないセリフよ。また会おうって言ったらウソになるんだから。大人の恋愛ではそんなことは言わないの。」なーんて知ったかぶったようなことを言うワタシ。  
 あの瞬間、ハリス氏が何を言ったかは、観る人それぞれに意見があると思います。それは、観る人それぞれの過去の恋愛、今の恋愛に相重なって。。。  
 ワタシの頭の中では、「君のおかげで、楽しかったよ。」と響いたように思えたのでした。
で、あなたはどう思いましたか?

蛇足:映画の中で、フランス語が聞こえてくるシーンがありました。日本人男性がハリス氏に向かって何故かフランス語でハンス・ベルメールについて話していて、そのマニアックな内容にちょっと笑ってしまいました。

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情報
この映画の日本語サイト↓
http://www.lit-movie.com/
http://www.v2records.co.jp/special/o011_sc/030804/movie.html


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