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vol.3 NEZ ROUGE」〜“赤い鼻”のボランティア

le 28 mai 2004

 わたしが年末年始にカナダのケベック州、モントリオール市に旅行した際に偶然観ることができた映画が、この『Nez Rouge(ネ・ルージュ)』というケベック映画。「ケベック映画」と敢えて書くには理由がある。それは、これがケベックという小さなエリアで製作・公開された映画であること、そして映画全編が(当然ではあるが)“ケベック弁”で話されていること。ここに独特の存在感がある。

 みなさんはご存知かどうかわかりませんが、カナダの公用語は英語。しかしケベック州では英語とフランス語(ケベック・フランス語)が公用語。なぜこのような状態になったかと言うと、カナダ建国の歴史にさかのぼることになるので、以下略。このケベック・フランス語とは、本家フランスのフランス語と比べると馬とロバくらいの差があります。具体的に言うと、英語化してきたフランス語なのです。似ていて否なるモノ。
  ケベック州の歴史や言葉についてはさておき、この映画はなかなかに微笑ましい内容でした。いわゆる「方言」で語られているので、その語り口調も華を添えていたのかも。
話の筋はというと、これまた単純なラブストーリー。これでもか!というくらい単純な内容のクリスマス映画。しかし、ちょっとセンチメンタルになりがちな12月、一人でクリスマスを過ごすかも?という方にぜひ見ていただきたい映画です。(今年の冬に日本に上陸することを祈る!)

 題名の『Nez Rouge』はフランス語で「赤い鼻」を意味します。これはカナダに実在するボランティア団体の名前で、赤鼻のトナカイがトレードマークの「冬季限定、無料代行運転屋」です。
カナダでは公共の場で酔いどれることを法律で禁じられており、路上や公園での飲酒はご法度。飲むならバーへ行きなさいね、ということです。飲酒運転ももちろんご法度。「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。」当たり前ですね。でも年末年始は何かと飲む機会が多いもの。ちょっとだけだから大丈夫だろう、とうっかり飲んでしまった時に限って、警察が…。例によって、はぁ〜っと息を吐いてやるあのテストでひっかかってしまったことから、映画は始まりますちょっと飲んだだけだったのに…なぜか、無料奉仕を強制的にさせられることに。

実際の「Nez Rouge」の活動はというと、まず、バーで酔っ払って運転できなくなった人が「Nez Rouge」に電話をかけてきます。その電話を頼りにボランティアは出動。酔っ払いの人の車を代行運転して家までちゃんと送り届けるという仕事です。(その際、酔っ払いさんに封筒を渡し、後日お礼として志を団体に寄付してもらうというもの。もちろんお礼をするかしないかは個人の自由。)これで危険な飲酒運転を回避しようという目的。
そんな団体でなぜか無料奉仕させられるハメになった男性(作家)が、その団体を取材しに来た女性ジャーナリストに一目惚れをするという単純な展開。単純なんだけど、でもなぜか微笑ましい。それはモントリオールの冬の景色が美しいからなのかも。ニューヨークのクリスマスとも、東京のクリスマスとも違う雰囲気が漂っています。-25℃が当たり前という、ケベック州の白く寒い冬が舞台の大人の恋物語。
仕事にも恋にも疲れたな〜、と思っている30代の方にぜひオススメの映画です。
恋のお相手は、こんな風にして意外なところに現れるかも…?

● 情報 ---------------------------------------
『Nez Rouge』 コメディー1時間47分(2003年)
Eric Canuel 監督
Michele Barbara Pelletier, Patrick Huard 出演

↓この映画の紹介サイト(仏語)
http://www.christalfilms.com/content/view/full/49/

↓実際の団体「Nez Rouge」のサイト。(英語・仏語)
http://www.operationnezrouge.com/#


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