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vol.5 座って最後まで観ようよ〜!

mer 25 juin 2004

 日本でもそうだけど、映画が終るやいなや席を立とうとする人がいる。これは、 映画がそこそこ好きな人間にとっては残念な行動じゃないかなって思う。わたしは映 画が終った後に流れる製作者や出演者のテロップを、映画を観た感動に浸りながら ぼーっと眺めるのが好き。その時に流れている音楽は、アメリカ映画で特に売れてそ うな映画の場合はたいていワタシの好みではないつまらない曲が多いけど、でもやっ ぱり最後までスクリーンの前に座っていたい。しかし、いきなり席を立って身支度を しはじめる人がけっこういる。
  日本だったら、それでも、1800円も払って映画館まで行ってるという時点で ある程度映画好きな人たちってことだから、電車の時間があるからとか、用事がある からとかで忙しい人かもしれないし、それにそんなにたくさんの人が即座に席を立 つってことは無いから、画面はちゃんと見えるからまだ大丈夫。しかしである。フラ ンス人は、そうではない。

 フランスの映画館でビックリしたのは、映画が終るやいなや、みーんな席を立っ て帰って行くってこと。わたしが最後まで座っていようとすると、夫が「早く帰ろう よ」と言わんばかりに無言でせかす。そんな夫を無視して最後まで居座ると、テロッ プが終って完全に上映終了状態になった頃には、わたしと夫のほかはわずか数人しか いなくなっている。日本だと、けっこうな人数が一番最後の最後まで残っていたんだ けどなぁ。

 わたしがなんでこんな些細なことにこだわるかと言うと、映画のテロップを眺め ていたい、感動に浸っていたい、というだけではない。実は、映画の最後には「隠し 玉」があるかもしれないからなのダ。
映画マニアの人ならもちろん承知のことだと思うけど、テロップが全部流れ終 わった後にちょこっとだけオマケ映像やオマケギャグをつけてくれている映画がたま 〜にある。コレは案外見逃してしまうので、要注意。日本だったら特に、そこそこ有 名な映画の場合はテレビとかの宣伝で前フリしておいてくれることもあるだろうから いいけれど、無名の映画なんかだと、気が付かずにさっさと帰宅して、後で友達から 「最後のアレ見た?」って言われて悔しい思いをすることになる可能性アリ。わたし はフランスにいるので、フランス語のテレビの映画紹介の炸裂トークにはまだ耳がつ いていけず、そんな情報が流れているかどうかもわからない状態。
 オマケ映像は本当にオマケだとしても、でもやっぱり最後まで座っていたい。画 面から完全に映像も音も消えて、館内に明かりがついたら映画が終了したってことだ とわたしは思っているから。

 


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